湿し水のph値は高すぎても低すぎても地汚れが発生してしまうのでしょうか?

掲載日:2014年8月11日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:オフセット印刷

Q:湿し水のph値は高すぎても低すぎても地汚れが発生してしまうのでしょうか?

A:Phとは水素イオン指数のことをいいます。水の分子式はH2Oですが、このうち一部の分子は水素イオンと水酸化イオンに分解しています。この2つのイオンが電気を伝えたり、金属を腐食したり、たんぱく質を凝固させるなどの働きをしています。印刷でphが関連するものは、用紙の塗工層、フィルム関係の現像液、PS版、CTP版現像液、湿し水、インキの乾燥などがあります。
 湿し水は原則として酸性である必要はないのですが通常の平版印刷(枚葉、オフ輪)ではpH5.5~6.0程度の湿し水が使用されています。この場合、湿し水のpH値が下がる=酸性に偏ると画線部が取れやすくなる、インキが乳化しやすくなる、インキの乾燥が悪くなる、インキローラーにインキが付きにくくなるなどの現象が現れます。 逆にpH値が上がる=アルカリ性に傾くとインキが乳化して汚れやすくなる現象があります。
 Phを測定する方法としては、ph計を使用して数値で表示する方式、ph試験紙を液に漬けて発色度合いから判断する方式です。Ph試験紙は簡便に測定できますが正確な測定ができません。

 

(2008年3月17日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)