※本記事の内容は掲載当時のものです。
ナンデモQ&A:オフセット印刷
Q:乳化について教えてください。
A:乳化とは,印刷に際して、インキの表面に湿し水が付着し、ローラのニップを通過していくうちに湿し水が微細化され,インキの中に分散化するようになる現象のことをいいます。
乳化の場合、湿し水とインキの境界に乳化促進剤が存在し、これによって水微粒子の安定が保たれています。この乳化促進剤のことを「界面活性剤」と呼びます。
「界面活性剤」についてですが、水とインキの粒子が接している境界面を「界面」といいます。この界面でインキと水が接していても結びつかないのは、表面張力がお互いに働き、反発しあっているからです。その反発力を弱くすることができれば、水とインキが結びつくはずです。この表面張力を弱くするものを、界面活性剤と呼んでいます。湿し水の添加剤であるエッチ液やイソプロピルアルコールなどはその具体的なものです。
次に、この界面で乳化の種類としては、油中水滴型のW/O型と水中油滴型のO/W型の2種類があります。
油中水滴型とは、油の中に水の分子が分散している状態で、印刷中のインキと水の関係はこの状態です。それに対し、水中油滴型とは、水の中に油が分散している状態でトラブルはこの状態の時に発生します。
(2001年11月19日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)