※本記事の内容は掲載当時のものです。
ナンデモQ&A:グラフィックス
Q:フラットベットスキャナとドラムスキャナ違いは何ですか?現在ではどちらが主流ですか。
A:ドラム型とフラットベット型の違いについてですが、ドラム型スキャナーは、原稿に光を当て、フォトマルチプラーヤー(略称フォトマル)という受光素子を用いて反射あるいは透過した光を受光する装置のことをいいます。光源としてはキセノンランプを用い、透明シリンダーに原稿を巻きつけ、一定のスピードで高速に回転させて画像データを読みとっていきます。
これに対し、フラットベットスキャナーでは、原稿を固定しミラー又は読取り素子を駆動して撮像します。読取素子として固体撮像素子、例えばCCD(Chrge Cuppled Device)イメージセンサーや密着型イメージセンサーを、光源としてハロゲンランプ、キセノンランプや蛍光灯を用います。
フォトマルはCCDに比べ濃度レンジが広いことがあげられます。ハイエンドのフラットベットスキャナーでは高濃度値まで捕らえることはできませんが、フォトマルだと4.0D以上の濃度値を正確に読み取ることができるものもあります。ですから、「闇夜のカラス」といったシャドー側の階調も忠実に表現できます。高倍率かつ高品質の画像を入力するにはドラム型のほうが優れているようです。
しかし、フラットベット型のスキャナーも撮像解像度が上がってきており、ドラム型スキャナーと品質上さほど変わらないこと、あと価格がドラム型スキャナーに比べ安価だというところから現在ではフラットベット型スキャナーが多くの印刷関連企業で導入されています。こうしたことから、フラットベット型スキャナーが主流といってもいいのではないでしょうか。
各印刷会社によって扱っている仕事内容が違いますので、一概にどれがいいとは言えませんが,高品質かつ高倍率の印刷物を制作するのであれば、ドラム型スキャナーの方が適しているでしょう。
(2002年2月4日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)