※本記事の内容は掲載当時のものです。
ナンデモQ&A:グラフィックス
Q4色のカラー印刷でスクリーン角度を変えることにより色相が変わることがありますか。
A:印刷の色の濃淡を表現するには網点の大きさを変えることにより表現しています。その網点は、縦横、水平垂直に規則正しく並んでおり、このことをスクリーンと呼んでいます。
人間の目は、水平方向垂直方向には敏感という特性をもっていますが、斜めにするとスクリーンの並びが人間の目に目立たなくなります。そこでモノクロ一色で印刷する場合はこの角度を45°にして印刷します。この角度のことをスクリーン角度といいます。
しかし、2色以上の色を使って印刷する場合互いに網点情報を持ったスクリーンが重なるとモアレが発生し、スクリーンがお互い平行になったときがモアレが一番大きく、一方を傾けていくとだんだんモアレが小さくなります。一番モアレが小さくなる角度はお互い30°離れたときです。
4色のカラー印刷する場合、4つのスクリーンが重なります。色々なケースがあり一概には言えませんが、よくあるケースとしてマゼンタを45°の角度にもってきてこのマゼンタを中心に30°離してシアン(75°の位置)、ブラック(15°の位置)を設定します。そして、イエローは0°の角度、つまりブラックより15°離しておくことがよくあります。
こうしたかたちで、スクリーン角度を設定してモアレを最小限に押さえています。マゼンタとブラックの角度を交換したときに、印刷物としての色に影響があるか否かという問題については、色の角度を変えることによって、モアレの出方も微妙に違ってくることが考えられますから、部分的に影響が出ることも十分考えられます。ハイライトの部分の色相の変化はあまり目立たないかもしてませんが、中間調からシャドー側にかけて、特にブラックが入っているところは変化が考えられます。
したがって、各絵柄によって影響が出たり出なかったりするものなので、どのように色相が変わるかはやってみないと判りません。
(2001年12月10日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)