※本記事の内容は掲載当時のものです。
ナンデモQ&A:特殊印刷
Q:ペットボトルのシュリンクラベルはどうやって作られますか
A:ペットボトルのシュリンクラベルをデザインするには最終的にボトル形状による収縮を考えなければなりません。ボトルによっては太い部分や細い部分があり、そうした部分はシュリンクしたときの収縮率が違います。太い部分と細い部分では縮みかたが異なります。どのくらい縮むかは計算値で概算の収縮率をだしています。 基礎となるデザインについてはメーカー側が制作します。印刷会社は受け取った原稿をグラビヤ印刷で再現する為に加工を施し、分版作業をすることになります。商品の訴求性を高めるためにユーザーの欲するデザイン再現を常に考えなければなりません。
版校正はカラープリンタ(フィルムに出力)を使用する事が多く、ある程度の色の方向性を確認します(特色は、分解で表現する為、色を合わせることは難しいのが現状です)。
版校正の校了後は、専用の校正機で本番の収縮のフィルムを使って印刷し、お湯で縮めて実際の形状に仕上げて色校正及び収縮後のデザイン確認をします。
シュリンクラベルは熱収縮するフィルムです。材質はポリスチレンとポリエステルの二種類が多く使用されます。これは巻取りでグラビア印刷をしますが、最低でも2,000m以上は印刷します。飲料水でも売れているものそうでもないものによりさまざまです。印刷会社では印刷、ミシン目入れ、接着加工をして仕上げたロール状の製品、又はカットして枚葉に仕上げた形のいずれかで納品しています。
また、インキはフィルム材質によって種類がありますが、最終的にシュリンクされても大丈夫な専用の伸縮用インキです。
飲料ボトルの場合は、主に飲料充填メーカーでラベルの装着を行います。飲料などの中身が充填されてキャップがついた状態で流れてきたボトルにラベルをカットし落とし込み位置決めをしてから温風トンネルに入れてラベルを収縮させて出来上がりです。
取材協力:㈱千代田グラビヤ URL http://www.chiyogra.co.jp/
(2007年5月14日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)