※本記事の内容は掲載当時のものです。
ナンデモQ&A:特殊印刷
Q:飲み物のグラスに敷くコースターについて教えてください。
A:業務用のコースターの場合、大口のユーザーからでも一回の発注が約5万部といわれています。バブル期の頃には、飲み水の紙コップにも使った時代がありました。そのときはもう少し需要がりましたけど、現在はそんなに需要はありません。
紙は吸水紙の一種で専用のコースター紙を使っています。この用紙は一般の印刷会社では使用しないため卸業社でも普段在庫していません。一部市販のものもありますが、製紙メーカは専用の原紙を抄いています。
コースター原紙の寸法はメーカはによっても違いますが、800×1100ミリ、600×800ミリの判があります。連量も薄いもので137kg、厚いもので563kgといった数種類のものがあります。
版は樹脂凸版・フレキソ又はスクリーンで印刷されます。いまでこそドライオフセットという方法もありますが、コースター紙には水を使った平版オフセットは向きません。
コースター紙へは不透明度の高いインキを凸版で厚盛りで印刷しています。
コースター自身、形が三角・四角、それ以上の多角形のものがあり様々で、大きさも約9cm角ものもが多いですから印刷機は小型の機械で印刷します。小ロットですので、通常の印刷のように四六判、菊判の全判や半裁で印刷し複数の後工程を含めるとコスト高になります。あくまでも消耗品なのでコストを追求した場合に一番いい方法としては小型の印刷機のほうが効率がいいことになります。印刷後は刃型を作成して型抜きします。
(2003年4月7日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)