光る印刷物にはどんなものがありますか。

掲載日:2014年8月14日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:光る印刷物にはどんなものがありますか。

A:特殊印刷の分野で光る印刷物には、顔料に光を蓄える性質があったり反射する粉末が混ぜられたりと特殊なインキを使用されています。版式は孔版が多く使われておりその他に平版やグラビアが使われることもあります。 
 光る印刷物には、蓄光印刷、フォトクロミック印刷、また反射して変化するインキを使ったラメ印刷、パール印刷、というものがあります。

● 蓄光印刷とは光エネルギーを蓄える性質をもつ顔料を練りこんだインキにスクリーン印 刷したものです。蛍光灯などの光を蓄えて暗がりで発光します。通常の蓄光インキは発光時間が30分~1時間程度ですが、7時間位発光するインキもあります。
●フォトクロミック印刷とは、紫外線で可逆的に反応し、発色するフォトクロミック物質をマイクロカプセル化し、印刷したものです。この印刷は、紫外線の存在を色によって確かめることができるのが特長です。紫外線チェックカードは、フォトクロミック印刷を紙に施したカードで、太陽光に当てると、いままで無色であったチェック部がアオに発色します。肌に影響を与える紫外線の存在を可視的に確認できるので、化粧品会社の日焼け止め製品の販促品として使用されました。あと、窓ガラスに貼ったUVカットフィルムとしても使われます。

●ラメ印刷とは、ラメ片を印刷インキ中(主にクリヤー)に混ぜ込んで使用インキとして印刷します。ラメ片を反射して通常の金属粉の反射とは全く違う変化に富んだ反射のしかたをします。ラメの種類としては金、銀、青、緑の単体とそれらを混ぜた7色に反射する物があります。
●パール印刷とは、可視光線をスペクトルに分ける効果があるパール粉をメジウム等に混ぜ込んでスクリーン印刷します。メタリック粉とは違うパール粉独自のわずかに7色に光を反射する効果が得られます。またパール粉の中には光の反射角度によって薄い黄色から薄紫、薄いオレンジ色から薄い青に変化する物もあります。
この2種類のインキは、インキの中に反射粉末を混ぜ込んでいるところに特長があります。

●その他に、蛍光インキを使用する印刷物もあります。蛍光インキは、可視光線および紫外線によって蛍光を発する昼光型顔料を用いたものです。ポスター、カタログ、パッケージ、その他誘目効果を目的とする用途で高彩度の印刷をするのに使用されたり、偽造防止の目的で、証紙類に刷りこんでおき、必要時に紫外線ランプで照らしてチェックする時などにも用いられます。
 最近では、インキジェットプリンタで出力されるケースもあります。

 熊沢印刷工芸(株) TEL 03-3905-1201

 

(2002年11月11日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)