※本記事の内容は掲載当時のものです。
ナンデモQ&A:特殊印刷
Q:貼っても剥せる吸盤付シートとはどんなものですか。
A: ステッカーやラベル、表示板等は、接着剤や糊、接着用テープを使用しています。これらは、いったん接着すると剥しにくく、剥しても表面に糊が残ってしまい繰り返して使用することはできません。それを印刷技術で解決したのが「吸盤付シート」で、(有)樹脂印刷社が独自に開発したものです。
【専用インキ】
まず専用のインキについてですが、従来のインキだと完全に乾燥してしまいますので吸着の効果が得られません。そこで、専用インキは塩化ビニール樹脂に可塑剤、混合溶剤を配合したものを開発し、配合比を変えることにより被印刷物に合ったインキで印刷するようになっています。専用インキは、乾燥しても固まらず柔軟性が保たれるようになっています。
インキの種類としては、主にPVCや合成紙類用の溶剤型とPET、PC、PE、PP、紙硝子、金属類用のUV型とがあります。
【印刷】
吸盤型の印刷はスクリーン印刷が施されますが、従来の印刷よりも10~30倍の肉厚となるように特殊な手法で行ないます。専用インキは粘度が高いので、印刷機も曲面体を印刷できる原理を応用した特殊なものです。
この印刷機で円輪、多角形、網目、花柄などの模様を印刷し、凹凸を造って吸盤の役割をもたせます。インキに柔軟性があるため,吸着作用でガラスなどの通気性のない平面にシート類を吸着させることができます。
この吸盤付シートの特長は、平滑なところであればどこでも吸着可能で、接着剤を使用していないので剥離後には糊残りの痕跡がありません。また繰り返しの使用ができ、ホコリなどで汚れて吸着力が弱くなっても、水洗いするともとにもどります。
【用途】
シートの用途は、ステッカーとしては、「準備中」「営業中」「禁煙」「本日終了」「立ち入り禁止」などが挙げられます。また、自動車窓や家の窓などの紫外線防止遮光フィルム、服飾事務用品のスベリ止めシート、医療用の止血用ベルト、マウスパッド等、多岐にわたって使用されています。
【特許】
この吸盤層を印刷で形成して製造する「吸盤付シート」の製造方法には、次の特許が登録されておりますので使用する際には注意が必要です。
吸盤付シートの製造方法 日本国特許第1982188号(溶剤型インキ使用の場合)
キューバンシートの製造方法 日本国特許第2942945号(UV型インキ使用の場合)
吸盤層を印刷した成型製品の製造方法 日本国特許第3177820号
※ライセンス料金については、別途相談。
【お問い合わせ先、資料提供】
吸盤シートについては、下記に必ずお問い合わせいただき詳細を打ち合わせてください。
(有)樹脂印刷社
133-0044 東京都江戸川区本一色1-2-5
TEL 03-3652-7201 FAX 03-3652-7203
http:http://www1.ocn.ne.jp/~jushi/
【承認インキ販売権者】
東洋インキ城東販売㈱
111-0043 東京都台東区駒形1-4-4
TEL 03-3843-7411 FAX 03-3845-0525
(2002年6月10日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)