携帯電話のフレームやボタンへはどのように印刷するのか?

掲載日:2014年8月14日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:携帯電話のフレームやボタンへはどのように印刷するのか?

A:今、携帯電話を多くの人がもつようになりましたし、その種類の多さにも驚かされます。携帯電話のフレームにあるメーカーのロゴや文字表示、ボタンの部分の数字や文字やイラストは印刷されています。
 フレームへ印刷されているロゴや文字は、フレームが平面であるケースが少ないため、曲面用の凹版オフセット印刷されます。
 このとき、フレームにはプラスチックが多く用いられますが、その材質や塗装の種類やもいろいろあるようです。素材によってインキも選択されます。
我々が日常持ち歩くものですから、印刷した絵柄が剥げ落ちないようにしように、飲み物がこぼれても消えないように、等の実験を繰り返してインキが選択されているようです。
 ボタンの部分については、表面に通常の凹版オフセット印刷が施されています。
しかし、最近の機種は、よくみると透明なボタンでボタンの奥に数字などが印刷されているものが多いです。
 最近多いのが上記のタイプの印刷方法で、透明なアクリル樹脂のボタンの奥に文字が白、バックが黒で印刷されています。携帯電話は、暗い場所で使用するときに液晶画面とボタンの文字部分から光が透過します。透明なボタンの裏に白インキでスクリーン印刷やタンポ印刷が施されます。まず文字を逆文字で白や黒などで印刷したあとに(多くのスクリーン白インクは透過しにくい性質を持っています。)文字の上にホットスタンプを施したり、墨インキで印刷します。
 墨インキで印刷する場合、文字部分を抜いて光を透過できるようにしておく方法と、透過性のある墨インキで印刷する方法と、全面墨インキで印刷したあとにレーザーで文字部分を抜く方法などがあります。白インクと墨インクの光の透過性を考えながらさまざまな仕様を決定しているようです。
 以上のように、さまざまな機種の携帯電話が世に数ヶ月ごとに新発売されますが、世の中の人があまり意識していないであろう表示の印刷には、多くの手間がかかっていることを意識していただいて、大切に使いましょう。

 有限会社 海鴻社  TEL 03-3697-1686

 

(2001年12月24日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)