香りつきの広告はどのように印刷しているのですか?

掲載日:2014年8月14日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:香りつきの広告はどのように印刷しているのですか?

A:一般的には芳香インキを使っています。この印刷を香料印刷(マイクロセント)といっています。
芳香インキは、インキ組成中に直接香料を加え、浸透乾燥タイプとして凸版などで印刷するタイプと、マイクロカプセルに香料を封じこめたものをインキ化し、印刷物自体は芳香性はありませんが、印刷面を擦ると擦過作用でカプセルが破壊され、芳香効果が生ずるタイプのインキがあります。
前者のタイプは保香性の問題などがあり今では殆ど使われておらず、後者が使われています。
芳香インキは、まず香料メーカーが臭いをつくり、カプセルメーカーがインキに混ぜるための香料カプセルを作ります。このカプセルが通常のインキの顔料に替わるものなので、インキメーカーでカプセルとワニスを混ぜ合わせて香料インキを製造します。
通常インキメーカーでは数種類のカプセル(例えば、レモン、オレンジ、ラベンダー、等)を在庫しておりますが、印刷会社からの要望により独自の香りを作ることも可能です(もちろん限界はあります)。この場合、香料メーカーに特注しますので少し時間がかかります。
香料印刷は、平版、水無し平版、樹脂凸版、スルリーンで印刷されます。乾燥方式も光硬化型、酸化重合型、溶剤乾燥型、オフ輪の場合は熱乾燥型を使います。
スクリーン印刷が多く用いられています。これによるとインキの盛り発色がいいです。最近は平版や樹脂凸版での印刷も可能になっております。特に平版での印刷のメリットは大ロットの場合、コストを安くできるという点です。しかし、スクリーン印刷と比べインキの盛りが弱いという短所もあります。
芳香インキを使用できる印刷会社としては、商業印刷か出版印刷をやっているところでしたら、どこでも可能だと思います。

 

(2001年12月3日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)