※本記事の内容は掲載当時のものです。
ナンデモQ&A:後加工
Q:糊綴とはどういう綴じ方ですか。
A:折りと綴じをインラインで行い、綴じ部分を糊を使用する方法を糊綴じといいます。糊そのものは水性系のボンドが主体で紙質によってはホットメルトが使用されます。糊付製本は折機メーカーが折機の中で中綴じ製本ができないかということから考えられており、折機の中でフィニッシュできる製本機ということで開発されたものが糊付製本機です。
機械は25年以上前から開発されていました。当初、エマルジョン装置は国産では市販化されておらず、糊付装置も折機メーカーが自作したそうで、点滴型というタンクを上に吊り下げて重力の力で糊を下げるという方法でしたが、現在では国内外の糊付装置メーカ-の物を使用し方式もタンクで真空圧にして点糊・棒糊のどちらでも圧力で吹き付ける方法になっています。
現在の糊付製本機は折るだけでなく貼ったり重ねたり仕上げ断ちする機能が付いています、その折・丁合・綴・断裁仕上げを一貫工程する物が糊綴機です。
糊付製本で単純なものとして直角2度折り8ページの冊子があります。一回折ってもう一度折るという工程の中で糊注しをします。刷り本が搬送されて折り目になるであろう部分に機械の先端部分に取り付けられているボールペンの先のような形をしているノズルから糊が噴射され、この糊注しされる距離はコントロ-ラ-にプログラムされています。そして二つ折りされると糊が付着された部分が接着します。その次にまた折られて天地小口を断裁すると8ページの冊子になります。
これが通常の針金の8ページの場合、一回折り機で折ったものを広げ鞍がけをしてステッチする方法と、ペラを2枚給紙し2枚重ねに丁合いしてステッチして折って小口を断裁という方法とがあります。
また、16ページ折の場合は加工方法が3パタ-ン有りますが、代表的な物は糊付けをして折り、一度折った刷り本の90度向きを変えて糊付けをして折るというように機械そのものが特殊仕様の機械で折丁がつくられます。
これらは1枚のシートから作る方法です。しかし、顧客の要望から別々の折り丁と表紙を同じラインで出来ない物かとの要望に対応した物が糊綴機です。
こうした糊綴機には鞍が3鞍から6鞍あり、糊貼りされた折本を更に糊付けして貼りあわせながら折り重ねて、最後にチョッパーで折られて三方断裁し仕上げるというように多ページにも対応できます。
そして糊綴機は針金綴じでは難しいとされたものが簡単にできるようになりました。例えば表紙を開くと中は観音折にしておくことができ、観音折が左右に現れるというダブル両観音ができます。針金綴じではできないとはいわないまでもやるには難しいです。糊綴じの用途としてはカタログ関係が圧倒的に多いです。
取材協力 ㈱正栄機械製作所
http://www.shoei-folder.co.jp
(2006年2月6日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)