縦目のA4広報誌を発注していますが,横目にしてもよいかのでしょうか?

掲載日:2014年8月14日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:後加工

Q:縦目のA4広報誌を発注していますが,横目にしてもよいかのでしょうか?

A:縦目のA4広報誌を発注していますが,印刷会社から横目にしてもよいか,と聞かれたという質問がありました。 用紙は木材の中の植物繊維からできています。紙の目とは、木材の中にある植物繊維の流れている方向のことをいい、日本工業規格で定められた用紙の長辺に平行に目が流れているものを縦目、短辺に平行に目が流れているものを横目の紙といっています。
書籍にしたときには、左右に開きますから紙の流れ目は上下に流れていなければなりません。つまり必ず本のノドに平行になっていなければなりません。
上記の質問の場合、おそらく今までクライアントの方はA4仕上がりの広報誌が縦長の状態で、その結果として縦目になっている、だから「従来は縦目で」といっていると思います。
逆に、もしその広報誌の仕上がりが横長の状態であるなら、その紙は横目の状態になっていなければなりません。
印刷業者が「横目でやってもいいか」といったのは、あくまで製造上での話しだと思います。発注側としては仕上がりが横長でも縦長でも結果として書籍のノドに平行に目が流れていれば問題ありません。
例えば仕上がりがA4版縦置きの広報誌の場合、その広報誌を印刷するには、菊全の印刷機(A全版でもいい)で印刷する場合は菊全横目の用紙を使用しなければなりません。また、菊半裁(A半裁でもいい)の印刷機で印刷する場合は菊半裁縦目の用紙を使用しなければなりません。
印刷業者は、全版の原紙寸法の状態で紙の目のことをよくいいますが、印刷業者以外の方は仕上がりの状態で目のことをいう傾向があると思います。
上記の場合は、印刷業者とクライアントとの、紙の目に対する考え方の違いの表れだと思います。こういう場合、印刷業者はあくまでお客さんの考えを理解することを心がける事がトラブル回避へもつながると思います。
ちなみに、紙の目がノドに直角の状態(逆目)の場合、最初のページは開けても中のページは開けなくなり本の機能を果たすことはできません。

 

(2001年11月19日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)