※本記事の内容は掲載当時のものです。
ナンデモQ&A:知的財産権
Q:写真の合成は著作権上問題はありませんか。
A:写真の著作物を分断、合成することは、その著作物の同一性保持権に触れるので無断で使用はできません。
ただ、自社のカメラマンやフリーのカメラマンであっても、特にカメラマンの名義を出さないような写真ならば、その著作者は法人である会社になるので、それをどう合成しても問題ありません。
問題になるのは、外部のカメラマンが撮影したもので、目的以外の用途に使われてそうした使われ方をカメラマンが全く予想していなかった場合です。
極端な例が、雑誌やポスターに発表された写真を勝手に修正・加工し、別の世界を現出することです。この場合は、著作者の同一性保持権を侵害することになります。
また、フォト・ラボを通じて写真を入手し、使用料を払って使う場合にも問題は起こります。著作者が許可しているのが写真をそのまま使うことを前提としていたとするとします。もし使用者が合成などの変形をすると、この変形は単に著作物を複製することだけではなく、改変することですから同一性保持権に触れることになります。
著作者の承諾を得て合成し、でき上がった合成写真は新たなる著作物ですから、会社はその著作者として自由に活用できますが、それはあくまで「2次的著作物」ですので、使用するたびに原著作者の権利が働くため、原著作権者へも断らなくてはなりません。
「商品企画のための著作権」日本印刷技術協会」
(2002年11月4日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)