インキのハードタイプとソフトタイプの違いはなんでしょうか。

掲載日:2014年8月17日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:その他

Q:インキのハードタイプとソフトタイプの違いはなんでしょうか。

A:インキには色の元の顔料(15~20%)を紙面まで運ぶビヒクル(70~80%)乾燥促進剤、裏移り防止剤などの補助剤(2~4%)で成り立っています。ハードタイプとソフトタイプはビヒクリによって変わってきます。 
 ビヒクルは固形樹脂(ロジン変性フェノール樹脂)乾性油(アマニ油・桐油・大豆油)石油系溶剤(レジュウサ・灯油・洗い油)等で成り立っています。レジュウサは灯油より粘りが高く・灯油は洗い油より粘りが高い・洗い油は他の油より粘りが少ないものです。 インキの硬さを調整するのは石油系溶剤です。
 ハードタイプのインキはレジュウサ(石油系溶剤)が15~20%入っていて、印刷速度が7,000枚/時以下のときに使用されます。セミハードタイプのインキは灯油のような石油溶剤が20~25%入っていて、印刷速度10,000枚/時前後の時に使用します。ソフトタイプのインキは洗い油のような石油溶剤が25~30%入っていて印刷速度13,000枚/時前後の時に使用します。
 インキの缶のラベルに、ハード-タイプのインキには「H」のマーク、セミハードのインキには「N・M」のマーク、ソフトタイプのインキには「S・L」のマークが付いています。印刷速度とインキのタイプが違っていると色ムラの原因にもなります。
 現在の印刷会社の工場の湿度・温度は管理されていますが、冬場の寒い時期にはすり出しに「S」タイプを、ローラが温まったら「N・M」タイプを使用するのも一つの方法です。しかし、工場内の空調管理は一年中、温度25℃・湿度60%にしておくことが重要です。 

 

(2008年1月21日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)