※本記事の内容は掲載当時のものです。
ナンデモQ&A:その他
Q:紙の目の見分け方はありますか。
A:紙は木材の植物繊維からできています。長網抄紙機の回転する網の上に紙料液を流して紙の層を作りますが、この紙料液の流れ方向に平行して木材の繊維が並びます。この一定方向に並んだ繊維の方向を紙の流れ目といいます。そこで漉き網の上を紙料が流れた方向に沿って長く裁たれたものを縦目といい、その反対に機械幅の方向に長く裁たれたものを横目といいます。
紙の目は肉眼で見ても分かりません。見分ける主な考え方はには、
①用紙の端を細長く切り取って片側の面に水を軽く付けると内側にカールします。カールの軸になった方向が紙の目の方向となります。
②手で破くと、目に沿ったときはそのまま平行に、目に逆らった場合は平行には破けませ ん。
③寸法表示で短辺×長辺は縦目、長辺×短辺は横目を示しています。
④ワンプの短辺側に表示ラベルが貼られている紙が縦目、ワンプの長辺側に表示ラベルが貼られている紙が横目です。
枚葉印刷紙の目の基準は全紙寸法の長辺に繊維が平行に流れている紙を縦目、短辺に平行に流れている紙を横目といいます。
本に使われる用紙の目は、本の天地(ノド)の方向に平行になるようにします。紙は湿度の変化によって目と直角になる方向に伸縮するため、本は開閉が柔軟で扱いやすくなり、長期間の使用や保存に耐えられます。反対にノドに直角になる目の紙を使った場合、紙の伸縮が逆方向になるため、背固めされた本の背が弓なりに反り、ノド際にシワが出たり、本の開閉も硬くなって本の背が壊れやすくなります。
(2007年7月16日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)