紙ナプキンの規制について教えてください。

掲載日:2014年8月17日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:その他

Q:紙ナプキンの規制について教えてください。 

A:紙ナプキンをよく見るとスポットで印刷されているものも多く目にします。普段意識することはありませんが、これもまた印刷物です。紙ナプキンは日常生活の中で多く使われ頻繁に人間の肌に触れる用紙なので、材料の製造には法律の規制を受けでいます。 

  ナプキン原紙は食品の容器になっています。食品衛生法第10条には「厚生労働大臣は公衆衛生の見地から、販売の用に供し若しくは営業上使用する器具若しくは容器包装若しくはこれらの原材料につき規格を定め、又はこれらの製造方法につき基準を定めることができる。」と明記されており、これを受けて食品・添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)に蛍光物質の使用については第3器具および容器包装のB器具および容器包装の製造基準の2が適用されることになり、紙ナプキンを製造するに際し、蛍光物質を使用することは原則として認められていません。
  蛍光反応がゼロでなければいけないということは、バージンパルプでなければいけないということです。再生紙だと必ず反応があります。環境にうるさい世の中で再生紙を使いたいところですが、使えないというのが現実です。

  インキについても、用紙と同じ規制をうけています。通常インキの色の素には顔料が使用されていますが、ナプキン用インキには食用色素が使われています。食用色素は顔料に比べ色相に冴えがなく、濃度が低く、耐水性と耐光性が弱く、蛍光灯などの光でも退色しやすいといった特長があります。
  また、ナプキン用インキは食用色素が使われていますが、使用されている全ての原料が食品添加物として認められているわけではありません。

  薄い紙は凸版の輪転機で印刷されます。凸版の輪転機は専用機で、インラインの機械です。紙へのエンボス・印刷・型押し・折り・カット・包装という作業がおこなわれます。この製作については各社独自のノウハウがあります。

 【参考】
★食品衛生法第10条
 〔器具又は容器包装の規格、基準の制定〕
 第10条 厚生大臣は、公衆衛生の見地から、販売の用に供し、若しくは営業上使用する器具若しくは容器包装若しくはこれらの原材料につき規格を定め、又はこれらの製造方法につき基準を定めることができる。
 (2)前項の規定により規格又は基準が定められたときは、その規格に合わない器具若しくは容 器包装を販売し、販売の用に供するために製造し、若しくは輸入し、若しくは営業上使用<し、その規格に合わない原材料を使用し、又はその基準に合わない方法により器具若しは容器包装を製造してはならない。 
★食品・添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)
 第一が食品、第二が添加物、第三が器具及び容器包装、第四がおもちゃ、第五が洗浄剤で構成されており、器具及び容器包装などは第三の適用を受けます。

 

(2003年6月9日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)