※本記事の内容は掲載当時のものです。
ナンデモQ&A:その他
Q:濡れても破れない紙はあるのでしょうか。
A:日常生活の中で例えばクリーニング店で耐洗紙を使用しています。お客と洗濯物を一致させるために顧客番号を記した紙を洗濯物に結び付け、そのまま洗濯しています。
また、選挙ポスターも選挙期間中は屋外に貼られる為、雨に濡れても大丈夫であるように合成紙が使われています。合成紙とは、合成高分子物質を主な素材とし、従来の紙的用途に用いるため、これを紙化加工したものです。
一方、通常用紙は植物繊維からできており、繊維が絡み合ってできています。用紙は、親水性が高く、水に濡れれば繊維の結合が破壊されてしまいます。
しかし、様々な用途の中で紙の従来の強度を保持したままで耐水性をもたせたいという要求もあります。現在では、水に濡れても繊維結合が破壊されない紙のことを耐洗紙とか耐水紙といわれて製品化されています。
紙に耐水性をもたせるには、(1)水に濡れ難くする、(2)湿潤時の繊維結合を壊れ難くする、(3)表面に耐水層をつくるといった方法があります。
(1)は、サイジングという方法で紙に疎水性を与えています。(2)は、植物繊維間に湿潤紙力剤という化学薬品を使用することにより水素結合よりも強い結合になります。(3)は、塗工機で塗工剤を塗ってバリヤー層をつくり水の浸透を防止する方法です。
(2002年2月11日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)