※本記事の内容は掲載当時のものです。
書評:『最新DTP技術読本』
Professional DTP編集部著
発行所 工学社 A5判 223ページ 価格2415円
DTPの世界は変わったし,また今後の技術動向も変わろうとしている。そのキーワードは標準化であるという。本書はDTPの新しい動向を,「DTP」「データベース」「プリプレス」「プルーフ」「印刷」「CIP4」の6つの分野に分けてまとめている。
内容も通常の解説本とは異なる角度から捉え,すべての分野で最新の技術動向を解説している。新技術動向を会得するのに役立つ,DTP上級者向けの解説書と言える。
今まで論じていたプリプレスの川上工程とか,後工程の川下工程という言い方は,いまや一つのワークフローとして見る必要がある。キーワードは,「カラーマネジメント(CMS)」「RGBワークフロー」「PDFワークフロー」,そして「CIP4」である。
特に第4章「プルーフ」で,今後の課題である「カラープルーフ」について取り上げ,新技術動向が解説されている。「JMPAカラー」「オンラインプルーフ」「リモートプルーフ」「インクジェット・プルーファ」などが参考になる。
最近デジカメ入稿が急激に増加し,スキャナに代わるデジカメの実用化が今後予想されるが,撮影時にデザイナーやカメラマンが画像の条件設定を心得るべきである。そしてデジカメのワークフローのトラブルを回避するためには,入稿の標準化が必要になる。
DTPになって責任の所在がボーダーレスになっているという。お互いの役割分担を認識することが必要で,ほかへの思いやりと,標準化や数値管理の必要性を示唆している。最近のDTPの話題はカラー問題が多くなっているが,フォント問題が解決したわけではない。ここでは外字問題を解決すると思われるアドビシステムズの「SING」を紹介しているのが参考になる。
(2005年4月14日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)