『Unicode標準入門 』

掲載日:2014年8月20日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

 
書評:『Unicode標準入門 』
発行所 祥泳社
トニー・グラハム著 乾和志・海老塚徹 訳 B5変 455P 3800円(税別)

 

コンピュータの世界では文字コードや字種が,送る側と受け手側のコンピュータが同じ環境にないと,同じ文字を表示できないという問題がある。これは日本語だけでなく,世界共通の問題である。ここにUnicode標準の意義がある。

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日本ではJIS漢字を基本としながら,ローカルな拡張文字コード体系の「今昔文字鏡」,BTRONのOS対応の「超漢字」などが生まれている。また住民基本台帳や電子政府化のための文字種とコード体系が検討されているなど,近年文字コードについていろいろな論議が交わされている。

Unicode標準は,漢字圏・非漢字圏を含めたグローバル・スタンダードの文字コード体系のことである。日本ではJIS漢字コードが基本となっているが,同じ漢字圏でも中国や韓国などは,それぞれ独自のコード体系をもっている。

Unicodeの解説を取り上げている本はいろいろあるが,ほとんどは主題に対する補足として説明しているものが多い。ところが本書はUnicodeや文字集合について,文字・グリフ・フォントなどの基本的なことから,Unicodeの背景などが解説されている。

普段一般ユーザはUnicodeを意識してはいないが,さまざまなOSやプログラム言語でサポートされている。 Unicode標準をサポートしているのはWWWアプリケーションだけではなく,最近のOSではシステムが提供するサービスに最初からUnicodeのサポートが組み込まれている。

Windows,MacOS,UNIX,Linuxなど幅広い。

 

 

(2003年10月6日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)