※本記事の内容は掲載当時のものです。
事業紹介インタビュー:EFIの統合ソリューションが、デジタル印刷の入口から出口までをカバー
イー・エフ・アイ株式会社 セールスディレクター 南 文輝氏に聞く
EFIは1991年に、世界初のプリントコントローラ「Fiery」を発売し、現在までにワールドワイドに150万台以上を出荷している。印刷業界向けにはワークフロー・ソリューションやコントローラ・ソリューションを開発している。最近では、スーパーワイドフォーマットプリンタを含むインクジェットシステムも供給している。 新しい分野に活動範囲を広げているイー・エフ・アイの南文輝氏にお話を伺った。
--先日のPAGEに出展された。
南 商業印刷のお客様に、新しいビジネスのご提案ということで出展した。大きな機械だったこと、通常の商業印刷とは異なるアプリケーションということで、注目度としては満足のいく結果だ。
--最近のビジネスについて。
南 EFIは、もともとはRIPメーカーで、ほとんどのハイエンドの、主に生産機系のプリンタに対してプリントコントローラ、つまりRIPの部分をOEM供給している。それは今でもビジネスのコアであり、われわれの重要な部分だ。数年前からプルーフのソフトウエアを出しているのを始めとして、昨年からは産業用のインクジェットプリンタにも注力している。
EFIとして、コアであるRIP、もしくはカラーマネジメントというものが強みになっているので、そのRIPを使って、商業印刷でもデジタル印刷機でも、産業用のインクジェットプリンタの分野でも製品を提供しようという戦略だ。
--インクジェットプリンタについて。
南 基本的には、われわれのコアコンピタンスであるRIPのビジネスでつながっているプリンタと競合しないものという前提だ。今後成長が見込める分野に特化して、一つがVUTEkというスーパーワイドフォーマットで、印字幅が2m以上の、主に野外や看板に使われるもの。 もう一つは、昨年買収したJetrionという製品でラベル、パッケージに対して高速でUVインクを使って運用するものだ。ユーザーは、ラベル印刷をやっている会社が主なターゲットと想定している。アプリケーションとしてバリアブルのバーコードや、当選くじのようなラベルがある。使い方は、フレキソで事前印刷して、可変の部分をインラインで印刷していく。今回PAGE2008で展示したものだ。drupaではフルカラーで白紙から全部可変印刷する製品を展示する予定だ。
--屋外の看板の戦略は。
南 世界で最初にスーパーワイドフォーマット市場を立ち上げたのがVUTEk社だ。買収後、EFIとしては溶剤インクからUVインクにマーケットがシフトしているのを後押ししている。UVインクのプリンタとしては最高のスペックを持った製品だ。
また、メディアの相性など、どういうアプリケーションが使えるかというのがキーになるので、そのへんも併せてサポートしながら販売活動をやっていきたい。インクもEFIが供給する。VUTEkチームの中にインク専門事業部があり、開発から製造をアメリカで行っている。
また、Jetrionももともと、アメリカのプリントインクの事業部が母体となっているので、UVインクをJetrionチームが開発している。VUTEkとJetrionの技術者の情報交換もあり、一緒になったシナジー効果が出ている。
--販売ルートは。
南 基本的には代理店経由で提供しているが、国内で直接販売してサポートする体制もある。Jetrionは、PAGEへも出展していたコスモグラフと、テイクの2社。テイクは従来からEFIのプルーフ製品の代理店もしている。
--どのような活動をしているのか。
南 昨年は業界の展示会出展、セミナーやロードショーといって地方の営業拠点でのセミナーなどを実施した。新しいアプリケーションの紹介を主に行っている。
--お客様や市場の反応は。
南 スーパーワイドの印字品質は、常に高い評価をいただいている。従来のEFIの強みであるワークフロー、例えばWeb入稿したものをEFIのRIPで校正出しして、OKであればその後、本機に回すというものがあるが、スーパーワイドフォーマットでもそのワークフローが使えるので、そのへんも評価が高い。
Jetrionに関しては、ほとんどスペック的に競合がない。76m/分(UVインク)で、スピードが圧倒的に早い。インクとメディアの相性も、良好だ。Jetrionは昨年の秋から販売開始したので、これからだ。
--先ほどのワークフローについて。
南 Digital StoreFrontとFiery XFというプルーフのソフトウエアがある。デモをすると、パフォーマンスがいいという、高い評価だ。デジタル印刷機を持っている会社や出力センターは自社で開発していたり、FTPを使っていたりということで、それをまだ生かしたいという部分がある。また、インハウス向けの、Eメールでファイルを添付してやり取りしていたようなところは、検討を始めたところだ。今まではメールでやっているが、今後取り入れるならこういうものを検討したいという声を頂いている。Web to Printは、海外では当たり前になってきている。Digital StoreFrontは完全に日本語化しているので、日本市場でも、すぐに導入していただける。
--大判の用途に変化はあるのか。
南 従来からある典型的なものは、メディアも変わらない。例えば垂れ幕や、ラッピングフィルムでバスや飛行機に貼るというものはそのまま残っているが、UVになることによって、硬質系が追加の仕事としてできる。ドアに、そのまま印刷していくというのは、UVならではの用途である。
溶剤は溶剤でまだマーケットがあり、EFIではとうもろこしから作ったBioVuインクを提供している。欧米では環境の問題や乾燥の問題でUVにシフトしてきている。印字品質も基本的にUVのほうがいい。さらに、硬質系で、素材を含めて、新たに用途開発するものがいろいろある。それが日本でこれから成長していく、一つのキーになると思う。いわゆるキラーアプリケーション、これが受けるから機械が売れるというようなものを作っていくのがわれわれの役目でもあると思っている。
--Web入稿ソフトについて。
南 開発した経験がある会社は、苦労と金額を知っているので、これの金額を聞くと「安い」と言われる。プリントエンジンは、ワークフローを確立させて、あらゆる種類のプリンタを含めてお客様のアプリケーションに合ったものを選んでいただければいい。その選択肢の中で、EFIのVUTEkやJetrionも使ってもらえれば。
--UVのインクジェットは、マテリアルなども含めて、ある意味では各社共通のテーマである。
メディアに関しても、各メディアメーカーともこれからUVになるだろうということで、UVに合ったようなメディアの開発をされている。ワイドフォーマットもラベルもそうなので、間違いなくUVになっていくのではないか。
イー・エフ・アイ株式会社
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(2008年4月)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)