※本記事の内容は掲載当時のものです。
印刷技術情報 :インキ・ブランケット
カラーアート校正と印刷の色の違い(021)
【概要】
当社の校正刷はほとんどカラーアートで作成されています。印刷物と比べた場合,若干色が異なる為、色の基準にしにくいという問題があります。カラーアートで作成した校正刷の網点を見ると,正方形で若干丸みをおびたものとなっています。校正刷機で作成したならば、こういう問題は発生しないのでしょうか。校正刷機で作成した物とカラーアート(焼付)で作成した物との相違点はどこにあるのでしょうか。インキを使用した物の方が流動性等により濃く出るのでしょうか。
【解決方法】
第1の違いは色材です。カラーアートでは染料を使用し、印刷インキは顔料です。カラーアート使用上まずC,Mにおいて貴社使用のインキの発色に近い種類の色材を選び、使用しなければなりません。
第2の異なる点は、トラッピングです。カラーアートでは、先刷りの色の上に、後刷の色がほとんど100%転移しますが、印刷インキ(平台校正機)の場合は70%~80%の間です。
前者の場合、完全に先刷り色の上に後刷り色が乗るので、色の鮮やかさが後者の平台校正刷に比べ、はるかに良い事が解ります。校正刷(平台)の場合は、印刷インキが紙の目の中に浸透してゆき、印刷されたインキ表面は凸凹の状態で表面の平滑度も両者の間では全く異なります。
「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)