※本記事の内容は掲載当時のものです。
印刷技術情報:パイリング・紙むけ・ヒッキー
モアレと節目について(065)
【概要】
モアレと節目について詳しく教えて欲しい。
【解決方法】
モアレとは,網点や細線が幾何学的に規則正しく配置されたパターンを重ね合わせた際に生じる濃淡の縞模様である。
原因は製版のスクリーン角度によるものが多く,特にシアン(藍)とマゼンタ(紅)の角度の差が30°以上離れていない時にモアレは出やすい。モアレを防ぐには、ダブルトーンのスクリーン角度は主色版は45°補色版は75°または15°とし、主色版と30°の差にする。
機械調整不良によるものに,爪抜けによる網点ダブリがモアレの原因になることがある。紙伸びによる極端な見当不良もモアレの原因になる。
節目あるいは条目は,ローラ目,水目,ギヤー目とショック目に分類される。
ローラ目は,ローラ調整不良によって起きる。例えば着ローラがシリンダーの切欠部のくわえ側に強く当たり,バウンドした場合などは,絵柄のくわえ側に数本の節目が出る。また,版をシリンダーに装着した時にシリンダーに対してくわえ側が浮いている時にも発生する。 着ローラの1回転目,2回転目に筋状の目が出易い。ローラ調整である程度矯正できる。
水目は,湿し水を版面に上げ過ぎている場合,インキローラと版面間で水がしごかれるために発生する筋目である。湿し水量を少なくすると直る。連続給水機構の場合,着けローラや,クロームローラーにインキがからむと印刷方向に垂直に筋目が出る。これは,水の膜の不均一さが原因で生じる。クロームローラは特にインキが絡まないようにしておく必要がある。
ギヤー目は印刷胴ギヤと同じピッチで筋目が発生する。原因はギヤーの摩耗による噛合せ不良による。ギヤーは摩耗していなくても胴仕立て不良(特に過圧)によって噛合せが悪くなる。ローラの過圧(対バイブレーションローラ)によってもローラ目・ギヤー目が出る事がある。
ショック目は,機械に対して,何らかの衝撃によって起きる節目である。
詳しくは,日本印刷技術協会から出されている,「オフセット印刷技術のトラブル解決法」P62~65までを読まれる事を薦めます。
「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)