パイリング,ブラン残りを少くしたい(064)

掲載日:2014年9月14日

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:パイリング・紙むけ・ヒッキー

 

パイリング,ブラン残りを少くしたい(064)

【概要】
 当社では湿し水のエッチ液はノンアルコールのエッチ液を使用している。現在,印刷上,湿し水の水量を下げれば着肉は良いのだが,パイリング,ブランケット残りなどで1日のブランケット洗浄の回数が多くなる(巻取2~3本程度でブランケット洗浄)。湿し水の水量は版面の光の反射具合を見て確認している。またコート紙,絵柄によってはアルコール5%程度使用している。パイリング,ブランケット残りを少なくする方法はないか。

 【解決方法】
 湿し水を下げると,パイリング・ブランケット残りがひどくなるということなので,その原因は水ではなく他にあるのではないかと思われる。
 版からブランケット,ブランケットから紙への転移が悪いと,パイリング・ブランケット残りは起き易くなる。ブランケットのヘタリ,パッキング不良などにより,仕立て量が変わっている可能性もある。各仕立て量をパッキングシリンダーゲージでチェックし,正常でない場合は正規の量にする。
また,インキのタックが強過ぎたり転移性の悪いブランケットを使用していても,ブランケット残りは起きやすい。
 特にインキについては,インキメーカー,種類により適・不適があるので,その選択は重要な課題である。また,用紙の良・不良にも影響する。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)