※本記事の内容は掲載当時のものです。
アナログ博物館:アイデア印刷術 3.眼鏡を用いた立体印刷〔2〕
眼鏡を用いた立体印刷〔2〕
3. クロマデプス立体
米国のクロマデプス社が開発した右図のプリズム溝フィルムで見るもので,青の寒色系は奥行き画像に,赤の暖色系は飛び出し画像となる。
・色視感度差を利用しているので片目でも立体視できる。
・自然の絵柄は赤系の花が飛び出し画像に適する。
・CGではサイケデリック表現ができ,雑誌もある。
・コンピュータでの映像分野では化学式の立体構造を説明する時に使う。
▲クロマデプス社のフィルム構造
▲クロマデプス眼鏡の実施例
4. フーリエ眼鏡
1947年に東レ(株)によって出願された特許によると,文字,画像をフーリエ積分して2次元ホログラム,つまり干渉稿の文字,画像をレーザ光でフィルムに焼き付ける。これを点光源で見ると,光学的逆フーリエ変換が生じ光で文字,画像が復元される。
▲特許原理
用途としては花火大会,クリスマスツリー,夜景などを見て,そこにハート絵柄などが浮き出すファンシー商品に用いられるほか,お菓子のおまけ,雑誌の付録に使用されている。最近,品質向上したEB回折格子ホログラムタイプフーリエ眼鏡が開発されている。
▲フーリエ眼鏡 ファンシー商品
5. プルフリッヒ立体
左右の異なる濃度フィルタを入れた眼鏡で動画(スキー,ボート,飛行機など)のビデオCRT画像を見ると,両眼に時間刺激差が生じて立体視できる。この眼鏡は片方を素通し,片方を赤茶系フィルタを入れたものが,スキーなど青系画像に対して反応しやすく,用いられている。動きの方向で時間差が逆になるため,眼鏡を逆にする必要があるということが難点になる。
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)