「営業の見える化」から始める高収益への道~page2015セミナー報告

掲載日:2015年4月14日

印刷営業は利益を確保するためにどう立ち向かうべきなのか。「営業の見える化」をテーマに、page2015から田中信一講師の講演を紹介する。

 

価格競争が激しくなり、印刷需要が減少に向かう中、印刷営業は利益を確保するためにどう立ち向かうべきなのか。
page2015で開催されたセミナーでは、「営業の見える化」をテーマに、株式会社ビジネスコミュニケーション研究所代表の田中信一氏に講演いただいた。以下はそのレポートである。

営業は「聖域」か、「ブラックボックス」か

印刷需要の減少、印刷通販の成長や代替メディアの普及にともなって、印刷業界は価格競争を強いられ、利益なき消耗戦をよぎなくされている。
印刷通販の伸長に見るように、印刷物の受注窓口を用意するだけで印刷会社の仕事が回るなら営業は不要という考えがある一方、お客様のところに埋もれている潜在的なニーズを掘り起こすのは営業にしかできない。顧客接点を担う営業の役割は決して薄れてはいないのではないだろうか。

お客様のところに存在している満たされないニーズが会社から見えないために、収益につながらないということが起こりがちである。原価の見える化には取り組んでも、営業の見える化は難しい。会社から離れたところで活動が行われているため、プロセスが見えにくい。営業がどんなことを言い、何をやっているか、どんな解決策を求められているか、ひいてはその会社に最適な営業を割りあてているのか、営業活動の実態が把握できなければ、顧客接点の多くが闇の中に閉ざされてしまう。

営業がお客様とどのような顧客接点を作るかは、お客様にとっても大事である。厳しいビジネス環境におかれているのはお客様も同様であり、相談できる相手を今、必要としているかもしれない。目の前にいる営業が何ができるかを知らなければ、実際に相談できる相手かどうか判断するすべはない。しかし営業がお客様からヒアリングした情報をもとに解決策を提案できるなら、印刷物としての予算はなくても、そのために別の予算から捻出してくれるかもしれない。個々の営業活動を見える化することによって、個人の力を会社として支援していくことができれば、収益につながるだろう。

顧客接点を担う営業の「見える化」

田中氏は実際に「営業の見える化」を考えるための視点は二つあるという。ひとつは、営業の「思考のクセ」を見える化することであり、もうひとつは「日々の行動」の見える化である。この2つの「見える化」を組み合わせることによって、個々の営業が日常の中で無意識に行っているお客様とのコミュニケーションの取り方や仕事の進め方など、営業活動における好き嫌いや得意不得意を視覚化・数値化し、顧客接点の最適化を図ることができるようになる。

お客様の情報は、日々コミュニケーションをとる営業の頭の中に存在し、営業がアウトプットしなければ、会社はそれを知ることはできない。逆に営業がお客様のニーズを聞きだし、的確に会社に伝えることができれば、個人の力では限界があっても、組織の力を利用して再アプローチをかけることができる。限りある営業資源を最大限活用し、会社が適切に行動がとれる体制をつくることができれば、収益は上がる。

「会社に技術があっても、お客様のところからしか受注は生まれない。徹底的に寄り添う。信頼関係を築いて、常にお客さんを助ける。人が価値を創り出す。会社がそれを管理支援していくことが大事」。

JAGATでは、田中信一氏による営業研修を定期的に開催している。お客様の困りごとを知り、解決策を持ち掛けながら、需要を創りだすための基本を学ぶ「今日からできる提案営業の進め方」(6/12開催)や「仕事を120%こなすための営業日常活動」(6/3開催)など、印刷営業のメリットである「日々のお客様との接点の多さ」をいかに有効活用していくかを実践的に習得するプログラムだ。ぜひ日常の営業活動に役立てていただきたい。

(まとめ CS部 原淳子)

関連セミナー

2015年6月3日(水)13:00~17:00
仕事を120%こなすための営業日常活動【東京―大阪ライブ中継】
http://www.jagat.or.jp/archives/2947
毎日何気なく行っている営業活動を、自社・自身の都合ではなく、お客様の視点で見直し、お客様が相談したくなり、頼みたくなる営業活動を組み立てるポイントを学びます。

2015年6月12日(金)10:00~17:00
今日からできる「提案営業」の進め方
http://www.jagat.or.jp/archives/4250
お客様の困りごとを知り、困りごとの解決策を持ちかけ、少しずつ需要を創りだすという提案営業の基本を講義とミニ演習を通して学びます。