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近年、ソリューションの多様性が求められている日本のDM業界。ベーヴェシステックジャパンは封入・封緘機などのハードウエアに加え、ソフトウエアツールも加えたトータルソリューションの販売にも力を注いでいる。
ベーヴェ システック ジャパン株式会社 代表取締役社長 小泉正裕氏に聞く
――貴社のこれまでの歩み、現状についてお聞かせください。
小泉氏 ベーヴェシステックは1945年、ドイツのアウグスブルクにてマックス・ベーラーとフェルディナンド・ヴェーバーの2人によって設立され、連続帳票をカットする機械のメーカーとしてスタートしました。社名の「ベーヴェ」は、創立者2人の名前の最初の2文字ずつを取ってつなげたもので、とてもパーソナルな名前をもったドイツの会社です。
その後、高性能な封入・封緘機やカードシステム、さらにメールルーム管理ソフトなどを順次製品ラインアップに加えていきました。現在では業界のリーディングカンパニーとしてメールルーム全体をカバーする製品を提供しています。
――貴社の特徴・強みをお聞かせください。
小泉氏 ベーヴェシステックはお客様のメールルームに必要なシステムを幅広いラインアップで取り揃えており、最先端のメールルームマネジメントを提供できます。
プリンターの給排紙からメールの封入・封緘まで、お客様のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。また、すべての製品は汎用性の高いモジュール方式のため、新しい技術やお客様のご要望の変更に応じて、システムの改造・アップグレードが可能です。
DMに対するエンドユーザー様からの要望は近年ますます多様化していますので、それにこたえられる提案力がわれわれにも求められてきます。特定分野の製品しかもたない企業では提案も限定的なものとなってしまいますが、ベーヴェシステックの幅広い商品群はあらゆる角度からの提案が可能となります。
また、セキュリティの高さも挙げられます。封入封緘システムにおけるチェック機構に加え、「JETVision」という先駆的な画像処理技術を、印字品質検査やログ記録などに使用することができます。 DM市場において“仕事の履歴を残しておきたい”という要求に加え “画像情報として処理の内容を残しておきたい”という声が大きくなっています。非常に簡単にデータを残せる画像検査装置へのニーズは、ますます高まってくると考えています。
これまではハイセキュリティ・ハイパフォーマンスな製品が多く、情報通信関係や金融証券関係、電力などのエネルギー関係が主要なお客様となっており、DM業界のすべての業務に対応し切れない部分も正直ありました。
しかし、この度発表した新型インサータ・システム「Combo」「BBH250」「Paper Wrapper」は、より日本市場のニーズにマッチする機能を搭載した高い汎用性と高性能、そして使いやすさを併せ持つインサータとなっています。
――新型インサータ・システム「Combo」「BBH250」「Paper Wrapper」についてお聞かせください。
小泉氏 「Combo」は、定型内1万4000通/時、定形外9000通/時の処理能力をもつインサータです。EASEコンセプトによる設計で、容易なオペレーションを実現し、稼働率の向上が可能です。「BBH250」は、角2号サイズの洋封筒/和封筒に対応したインサータで、豊富なフィーダーオプションによりさまざまな処理に対応することができます。
「Paper Wrapper」は、ロール紙から封筒を作成するインサータで、封筒コストの大幅削減、トランスプロモに対応したバリアブル封筒の処理など、新しいビジネスを創造することができます。
DM業界の方々からはさまざまな仕事をこなしている関係で、やはり汎用性に対する高いニーズが多くなっています。今回発表した3製品は、これらのニーズにおこたえできる製品として積極的に販売展開していきたいと考えています。
――今までの製品との違いについてお聞かせください。
新しい考え方の一つに、封筒を作らない、既存の封筒をもたないというものがあります。「BBH Paper Wrapper」は、ロール紙から封筒を作成するインサータなので、封筒の在庫をもたないで済みますし、既存の封筒にとらわれないのでデザイン性の向上にも効果を発揮します。まだ日本では定着していませんが、DM業界でもトランスプロモを進めていく時には封筒も一緒に作る必要があるので、ロール紙に印刷を行えばパーソナルでバリアブルなDMが作成できて、高い効果が見込めるようになります。
――サービスサポートについてお聞かせください。
小泉氏 ベーヴェシステックジャパンには約100名の社員がいますが、そのうちの8割は保守や技術サポートの業務を担当しています。ご提案したソリューションが絵に描いた餅とならないようにしっかりと機能させるには、保守・技術サポートは欠かせません。現在国内には直営の営業所が東京・名古屋・大阪に、その他15社の特約店が各拠点にありすべての地域をカバーしています。
また、最近の傾向としてお客様ご自身で1次的な簡易保守を行いたいというニーズがあります。日々の保守が行えるレベルまでのトレーニングはコースを設けて終了証を発行するなどの対応をしています。
――最後にメッセージをお願いします。
小泉氏 ベーヴェシステックは「メールルームの総合メーカー」という思いを持っていますが、印刷機をもっていません。しかし、エンドユーザーから見れば印刷機がコアにあってそこから全体をどう組み立てていくかと考えます。そういった要望におこたするには、印刷業界の方々とアライアンスやパートナーシップを組んで提案する必要があります。下流工程に改善の余地があるというケースはまだまだあり、印刷だけでは厳しいという現実に対して、新たな事業領域の拡大をご提案できるパートナーとして、ベーヴェシステックは今後もともに歩んでいきたいと考えています。
ベーヴェ システック ジャパン株式会社
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