本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
郡司:今日は動画を意識している人だけでなく、テキスト&グラフィックス研究会の通常会員にぜひこの話を聞いてもらいたいと思っている。まず、ある程度基礎的な話を、確認という意味で話しておきたい。
本日講師にお招きしている2人は、初歩の初歩ということで 、電塾というデジタル画像を日本で引っ張ってきた団体の運営委員で、動画に早めに取り組んでいる2人である。易しく話してくれる2人にお願いしている。
私は90年代にプロビジョンというアンテナショップをやったことがあり、そこのソリューションの1つとして、動画を取り上げた経験を持っている。
昔は動画編集機というと、アナログビデオ編集機が主力で、西麻布とか六本木あたりに編集プロダクション(ポストプロダクション)があって、そこにある機械は数億円くらいする高価なものだった。
そういうような機械をたくさん入れるか、優秀なオペレーターを入れるか。要するに、天才ドライバーであるアイルトン・セナを雇ったほうがいいか、誰がハンドルを握ってもスピードが出るオートマチック車でレースしたほうが速いかというと、当時はアイルトン・セナを雇ったほうが速かった。アイルトン・セナみたいなビデオオペレーターがいて、ものすごい高給を取っていたのだ。製版で言えば受け取りの人みたいな感じの人がいた時代、それが90年代である。
その数億円もした編集機が、デジタル化されて、100万円台まで落ちた。それが俗に言うノンリニアビデオである。当時画像技術をリードしていたサイテックス社が、これからは製版(印刷業の)から動画だろうということで、動画のビジネスを模索しており、私もそれに習って印刷業における動画ビジネスの可能性を考えたものだ。
簡単に動画の歴史を解説しておくと、アナログ編集機は画像処理機のCEPSに当たり3億円くらいした。スクリーンだったらシグマグラフ、サイテックスだったらレスポンスというものである。そういうものがたくさんあって、何億もする機械が、CEPSだった。
この時代は圧倒的にソニーの時代である。ソニーのベータは、一般用の家庭のビデオはVHSにやられてしまうが、プロ用は圧倒的にベータカムだったので、ベータがしっかり残っていて、完パケとか、プロのフォーマットはベータカム以外はありえなかった。アナログコンポーネント記録のカセットはVTRで、完パケはベータカムで納品するのが当たり前だった時代である。
デジタル化によりダウンサイジングが始まって、ボーダレスも広がっていった。これは製版と全く一緒であるし、印刷業もそうである。これによって、素人がDTPできるようになってしまった。それで印刷業はよそからの参入を許してしまったのである。
今まさに動画もデジタル化してしまった。そして値段が非常に下がった。アナログ編集機、ビデオ編集機は安価なものでも3億円と言っていたのが、ファイナルカットプロ10というソフトウェアは26,000円である。26,000円なら失敗しても全然大したことはない。それだったら、やらない手はないのではないかというのが、私の提案である。
今まで他産業から侵入してきたのだから、こっちが侵略してやってもいいじゃないかという話である。
そんなに難しい、ドラマを撮るとかミュージックビデオを撮るというのは難しいが、皆さんがやるのは、社長のあいさつとか、例えば会社案内を受注するとき、「Webもやってよ」とか「電子書籍やってよ」とか「デジタルサイネージやってよ」とかいう感じだと思う。
そのビデオを動画(映像)のプロに頼んだら大変である。それを簡単に、26,000円くらいのソフトで編集できてしまうのだから、やらない手はない。三脚を立ててしゃべらせておけば、それでいいではないか。失敗したらちょっとカットしてつないだりしてやれば十分できるのではないかという話である。
ノンリニアビデオというのは、今まではテープからテープへのリニア編集だったことの対語である。巻き戻して、テープからテープにダビングして、新しいテープに録画していくというのが、今までのビデオ編集機だったが、デジタルになったら、全部ディスクにためてしまえばいい。そのディスクからチェックしたものを引き出して、好きなところだけ編集すればいいのだから、DTPよりもっともっとデジタルの恩恵がある訳である。
ノンリニアはこんな感じで、コンピュータと同じである。ビデオ編集も最初は普通のパソコンではだめであった。エンジニアリングワークステーションという、私がスクリーンでやっていたレナトスのSUNというのがそうだが、ちょっとパソコンより高めで能力が高いものを使っていた。アビットの初期は、そういうものを使っていた。
プロビジョンではアベカス社のノンリニアビデオを扱った。その後、サイテックスデジタルビデオに社名変更する。
プロビジョンとしてはどんな動画を作ったかというと、いろいろなことをやったが、プロの編集者を1人雇い、あとは素人で、素人がほとんど作って、プロに見てもらって、肝心要のところだけ直してもらうというやり方で、それで十分いけた。素人でもできるというのを証明したという感じである。
そしてパソコンになり、アビットからアプリの時代になって、スティーブ・ジョブスがアップルに戻ったとき、これからはやっぱり動画の時代だろうということで、アドビのプレミアの部隊に目を付けて、新バージョンの開発部隊そのものを買収した。新バージョンの開発部隊そのまま引っこ抜いてファイナルカットプロを出したのは有名な話だ。このファイナルカットプロが、実はノンリニア編集ソフトの代名詞になるくらいにシェアを取ることになり、デファクトになってしまった。
アドビも、取られてちょっと弱体化したが、やっぱり動画だということで、この前のインタービーでも非常に大きなブースで、アドビは確実にそっち側へシフトしている。DTPのアドビから、そっち側のほうが市場が大きいという感じでシフトしているのは事実である。Photoshopも当然6.0は動画対応になっている。
どういうところが動画対応かというと、奇数本、偶数本でコマめくりみたいなものをやるが、あれがちょっとぼけている。その2つを合せて1画面にするとか、そういうようなソフトをたくさん用意している。
印刷会社で見たら、例えば印刷会社はカラマネが得意だが、動画の世界ではマスモニ(マスターモニター)で色を合わせようという感じでできている。ところが今のマスモニはソニーなどが作っているので、カラマネ対応ではあるが誰も使わない。使うと、なんでこれだけ色がおかしいのかと言われてしまう。
ところが、やろうと思ったら、例えばSafariなどは完全カラマネ対応になっているのだ。デジタルサイネージか何かでSafariをブラウザにして、完全にそれだけのためにカラマネするということはできる。印刷業界が作る場合、クローズドの世界なら十分できる。あるいは、お店全部Safariにしてやるというのはできるということである。
動画はカラマネができないということではないし、新しいマスターモニターというのは、実はICCプロファイル対応になっていたりする。有機ELのソニーのものはそうなっている。ただ使う土壌がないというだけである。
これから鹿野さんとか菊池さんが言ってくれるのは、デジタル一眼時代になって、今までは編集ソフトががくっと値段が下がったが、今度はカメラのほうもがくんと値段が下がった。デジタル一眼になったら、今まで100万円以上するようなカメラが何十万円になった。ましてや7Dとかは十何万円になってレンズまでついているという時代になってきている。もしかしたら解像力は100万円のカメラよりもいいという時代になってきているので、それだったらやらない手はないのではないかということである。
印刷業界がイニシアチブをとれる、印刷業界のノウハウを発揮できる分野もたくさんあるし、結構値段が下がっているから、今までいつもやられてばかりいる印刷業界が他業界をやっつけてもいいのではないかという感じで、どんどん吹っかけたいというのが今日の主題である。
これはおまけだが、こういうように動画の世界というのはレゾが決まっている。要するに紙のサイズが決まっている。この紙のサイズをしっかり覚えておくと、やっぱり違うということである。今日ためしにまとめてみた図があるので、ちょっとつけてみた。
菊池氏:キクチカメラは茨城県の水戸市で祖父の代から街の写真屋をやっている。私の兄で3代目になる。ガラス乾板とか、そういったものを祖父の時代は売っていて、写真材料店をしつつ、街の写真屋なので、お店を作り、お店の奥にはスタジオを作りというふうにしてやってきた。
私の意向で、5年前にお店を改造して、子供が遊べるようなスタジオを作りたいということで、みんな手持ちで改造した。そこに、毎日お客さんが来るわけではなくてがらんとしてしまうので、ちょうどその頃松田聖子がCMでやっていたアスタリフトという化粧品が出たので置くようになった。多分、茨城で一番うちの店が売っていると思う。
結構ミセス層が新しくお客さんとしてたくさん来てくれたので、そのまま「じゃあ婦人服を置いたらどうだ」という話になって、今ではお店の半分がハイミセス層の婦人服屋さんになってしまった。初めは「どうなんだろう」と言っていたが、「ユニクロとビックカメラが合体したりしている。うちは先駆けでビックロみたいなことをやっていたのだ」と、勝手に兄と話している。
お店にいても私は全然仕事にならないので、茨城にも雑誌媒体、フリーペーパー、広告の仕事がまだまだある。大体半分半分くらいで仕事をしている。
今日話をする動画については、キヤノンの7Dというカメラを動画の目的で買って、すぐ手放したものの、動画に興味があったので、いろいろ作ってみようということで、実はこれから見ていただくものを、よくお付き合いしているクライアントに見てもらった。友人の家で、子どもの運動会のビデオを見せられるような感じかもしれないが、見てもらいたい。
カメラはキャノンの7Dで、ソフトはこのMacに入っていたiMovieを使った。簡単にテキストを入れられたり、カメラが逆になっているので、それをさかさまにするモードもあって180°回転もできるし、音が入っているが、これもやはりMacに入っているガレージバンドというソフトを使って、その中にいろいろな音源があるので、そういうものをつなぎ合わせて自分で作ってみたものを、この中に入れて最終的に書き出したものである。
これをお客さんに見せたところ、今私がやっている仕事の1つに県内の中古車情報誌『オートガイド』というものがあって、表紙の撮影と、中ページで一番新しい車を各ディーラーからレンタルしてきて、素人のモデルを連れていって、県内の各場所をいろいろ回ってスチール撮りしてくる。それと同時に動画もできないかという話だった。
編集の人間1人とモデル1人と私と3人で行っているので、細かいことは全くできない。今日はそのあたりを、私が普段やっているのはこんなものだというのを見ていただこうと思う。そういう話でいいということだったので、そのあたりを紹介させていただく。
普通に一般的なカメラを持ってきて、カメラバックとレフ板があって、このあたりは外の撮影で、これは白だが、このくらいだと動画はレフ効果が弱いと思うので、そういったときは銀のほうがいいということで銀で作っている。
こういうものは収納しやすいように自分で作るしかないが、それこそダイソーに行けば300円くらいで簡単に誰でも作れるので、これはキッチンの下に敷くようなシルバーのものだが、そういうもので代用したりする。
バックを持ちつつ、ビデオカメラバック用に、これを入れられるように入れて、必要であれば、当然料理とかも簡単にセットを組んで撮らなければいけなかったりするので、せいぜいスタンド2本くらいを持っていき、現状はこの上にモニターがあったりするが、これも今は使っているので、その理由もお話しするが、普通は使っていなかったり、照明もこのドライブ情報誌の仕事に関しては使っていない。
これは確実に月1でやっているが、試行錯誤しながら2年と半年くらいたつ。やるなら今だというのは本当だと思う。カラマネがちゃんと対応しているのはSafariだという話も今初めて知ったが、結局まだ何も統一していないところで、今だったら勉強できるチャンスではないか。そういう意味ではどんどんやるべきだと私も思う。
今日は何の機材を使って、どのように記録して、モードがいろいろあるが、それをパソコンに取り込んで、どんなソフトを使って取り込んでいるのか。どういうもので書き出すのか、その辺までの一連の流れを見てもらいたい。
まず、ビデオカメラの話からしたい。これはカメラとしては2台目になる。その頃の7Dは熱に弱いのではないかという話があった。つまり撮影中に機械が落ちてしまうこともあるのではないかという話もちらほら聞いていたので、その時代はまだビデオのほうがいいかなと思っていた。それに、当時、7Dはオートフォーカスがきかなかった。オートフォーカスはきいても追尾ができないとか、そんなこともあった。
またバッテリーの問題もあった。バッテリーがある程度もってくれないと困る。もちろんたくさん機材を持っていかなければいけないところを、コンパクトにしたいので、そこでバッテリーをいろいろ持っていくのもいやだったので、ひとまずソニーの、当時で言うとVG10というモデルを使っていた。今はVG20というタイプである。これはレンズが交換できるタイプだが、これにした理由も後で話す。
郡司:仲間由紀恵が出ているJR西日本の新幹線のコマーシャルがあるが、あれが全部7Dで撮影されているらしい。やはり熱で全部やられてしまうので、30台くらい持っていったらしい。コンシューマー機はそういうところがまずくて、5Dなら大丈夫らしいが、そんなことを聞いた。
菊池氏:そういう話が3年前くらいはあって、まだ貧弱だったので、仕事なのでそこはビデオカメラにするということは譲れなかった。
まずビデオカメラがあって、もう1つ、一眼レフカメラに動画が付いているということで、ついでにこれで動画を撮れないかと考えた。もうそろそろビデオカメラがなくても、30分以上の記録はこれではできないのでこういうものに頼らないといけないが、今のシーン、彼女とのデートのシーンをいくつか撮らなければいけなくて、それに関してはこれでいけるのではないかと考えた。あとは音の問題もあって、そのあたりをクリアできればこれを使っていこうかと考えた。
私が最初にビデオを始めたこと、ムービーを始めたことによって、はてなだらけだったことをお話しする。まず、このカメラで言うと、サイズである。ここにフレームレートというのがあり、今60Pというほうに選択されている。
この1つ前の機種にはPというモードがなくて、Iというモードしかなかった。このIとPとは何なのか。それから、この数字は何なのかという話を、私は最初全くわからなかったので、このあたりをやってみたい。
IはインターレースのI、PはプログレッシブのPである。インターレースというのは、ちょっと間引いたような写真が連続している。しかし動画だと間引いたところがなんとなくぼやける。一時停止してしまえばこういうふうに見えるが、実際に流れてみるとなめらかな動画のように見えるというのがインターレース方式である。詳しくはわからないが、おそらくこうすることによって情報量が少なくなるので、軽くて済むということが利点なのだろう。
もう1つ、今メインなのがプログレッシブというモードである。これは一時停止したものが普通の1枚の写真になる。これが並んでいるというところで言うと、利点の第一は「高画質なのはプログレッシブ」ということである。
今の機械はほとんどプログレッシブのモードがメインなので、プログレッシブが付いていればそちらを素直に使えばいいのではないかと私は思うので、今回はプログレッシブを選択する。
それから、60Pとか24Pといった数字があったが、その話はこちらのほうがわかりやすいので、ちょっと機械を変える。ソニーのカメラに関しては、プログレッシブのモードは24と60しかできない。こちらのカメラだと、同じように動画設定というものがこの中にあって、フレームレートというところで、30とか25とか24とか、60、50、30、25とある。これは1秒間にプログレッシブの、いわゆる普通の静止画が30枚並んでいる。これは1秒間に25枚。これは24枚ということである。実質は24.何枚ということになるのだろう。これは1秒間に60枚、これは50枚、30枚、25枚。
ここも迷わず高いのを使えばいいのではないかということで、このカメラに関してはここが60Pに変わるという感じになる。ここの数字が、これ以下のシャッタースピードにすると絵としておかしなことになるので、ちょっとやってみたい。
例えば今60Pのままにして、ここでライブビューにしてみる。今、シャッタースピードを60以下にするとどういうことが起きるかということをやろうとしたが、このカメラは利口で、設定した以下のシャッタースピードにはいかないようになっているようだ。
それではこっちでやってみたい。今60Pで選択されている。シャッタースピードは60となっているが、これで50である。これをさらに30にすると、ちょっと映像がカクカクしているのがわかる。これを60にするとなめらかになる。
つまり、先ほどの60Pとか50Pとか、あれよりもシャッタースピードは落とさないようにするというのがポイントである。
このカメラにした理由で、もう1つ、シャッタースピードがいじれるからということがある。今、実は60でこちらの画面だとフリッカーが出ている。これを50にしたいが、60Pというモードにしているので、60より上に上げなくてはいけない。それに一番近いところで言うとシャッタースピード100なので、100にしてみる。
ここも1つポイントで、これも後から覚えたが、もし60Pであればシャッタースピード60以上にする。それからフリッカーのことを考えて、まずこうやって蛍光灯に当てて、そこで出ているフリッカーが50の倍数か60の倍数かを見ながら、目視で確認する。
今、60だと、こちらのモニターだと明らかに出ている。これはフリッカー低減というのがソフトの中にも入っているが、結局Photoshopで言うぼかしモードのようなことをするだけなので、絵がぬるくなってしまう。それなら現場でシャッタースピードを変えればいいので、それは必ずやってもらいたい。
60Pとか30Pで、この間お借りしてソニーのファミリー向けハンディカムで撮ってみたら、非常に絵がきれいで、もうこれと変わらない。ましてや女の子とデートしているようなシーンであれば、顔を検知する能力もものすごくいいし、ピントも非常に早いし、なんといっても手振れがない。おそらく、パナソニックでも他のメーカーでもそうなのだろうが、何しろ手振れがなくて非常にいい。
それから、ズームがついているが、これはオートではない。例えばこうやって一体型になっているスピーカーだと、この音をこれが拾ってしまう。下手したらここだけでも、このあたりの操作音を拾ってしまうので、そういった意味では、これは値段的には4~5万円だが、それのほうがいいというケースもある。
ただし、これの問題は、シャッタースピードを任意で選べない。ということは、フリッカーが起きてしまうようなときに何もできない。例えばお店に入って、彼女を追いかけて外に行くというときは、確実に外の露光量を測ろうとするのでシャッタースピードが早くなる。そうすると中の蛍光灯を拾ったりして、ものすごいフリッカーが出てしまう。そういったときには確実にシャッタースピードを選べるカメラのほうが優れているという話をしたかった。
そういった意味では、このあたりはシャッタースピードを選べるし、利口なことに決められたシャッター速度より下に行くことはない。こちらの場合には、間違って触ってシャッタースピードを下にできたりするが、そういうことがこちらのカメラにはないので、そういった心配はいらないが、先ほどのカメラと比較したときには良しあしがこういうところでもあるという話をした。
このカメラに戻ると、先ほど60Pとか50Pと書いてあった隣にも数字があった。これは画像のサイズである。1920の1080とあるが、これがフルHDと呼ばれているものである。1280の720というのはただのHDである。YouTubeの一番大きいモードがこのあたりになると思う。ちょっと小さいのはこの半分、640である。
例えばレールを引いてなめらかな感じで動くようなシーンを、1920とか、大きいサイズで撮っておいて、1280くらいのシートを出して、そこで動かすと、画質は落ちずにそういった効果を与えることができるので、わざわざ小さいモードで撮る必要もないと私は思ったりしている。そもそも記録用とか、そういう程度であれば小さく撮るのも構わないが、大きく撮っておいて後から小さくすることは容易なので、そのほうがいいのではないかと思っている。
それから、この画面では小さいので、よくピント確認用等に外部モニターを付けているケースがある。しかし、今のデジカメの背面パネルは非常にきれいである。ここでピントが簡単に合ってしまう。
これは多分2つ理由があって、純粋にモニターが非常に優れているというのもあるし、もう1つは単焦点の明るいレンズ、一眼レフで使うような、ズームではないようなレンズを使うと、意外とピントが浅いのでピントのピークを簡単に見ることができる。
これを逆に絞ってしまうと、その効果が見えないかもしれない。今は3.5にしているので、奥までピントが合うようなモードに変えてみる。例えばF9で、先ほどと同じような感じでここから後ろはぼけていたと思うが、これは今ぼけていない。しかし、これでもなんとなくピントは合っている。
これはバックモニターがきれいだからというのと、室内だからというのももしかしたらあるかもしれないが。私はよく外で使っているが、やはり背面モニターは非常にいい。ピントのピークが非常にわかりやすい。
もちろん、ピントのピーキングというモードがあって、ピントがこのあたり合っているというところに色を付けてくれるモードも入っている。私はそれを使うと見づらいのであえて外しているが、そういった機能もあるので、ほとんど外部モニターを使うケースがなかった。
ただ、この間ちょっと使ったのが、後ろが稼げないときである。VG20になったおかげでモニターがこちらに返るようになった。前のモードはここまでしかいかなくて、こっちには返らなかったので、ここから確認できるということはあるが、ただ、車で道案内みたいな動画を撮ったとき、カメラを三脚で車の中に置いておき、横を見ながらというよりは、これを確認しながら録画しているほうが首も痛くならないし、非常に安定していていい。余計な操作も必要ないという意味では、こういうものがあっても悪くはない。
本当にピントのことを考えるのであれば、これには接続できないが、大きなモニターを持っていったほうがいいと思う。そこまでピントがシビアなのであれば、中途半端なサイズを持っていくよりもいい。これでも2~3万円はするので、そんな余分なお金をかけなくてもいいと思う。
ここまででカメラの説明とサイズの説明が終わった。今までは録画ボタンを押す前の話だが、メディアは今、SDカードが主流である。これはSANDISKのクラス10、SDHC。SDカードもいろいろ種類があるし、どんどん出過ぎていて、これはHCU1という一番新しいものだが、カードリーダーが追い付かない。
説明書にはクラス4以上でという数字が書いてあるが、今回用意しているのはクラス10というものなので、大幅にクリアしている。低いものを使ってしまうと、動画の書き込み量は結構多いので、映している間に追いつかなくて、録画が途中で止まってしまうときがある。そこで、高くても早いものを使ってもらいたいというふうに言っている。
これは昨日届いた、一番早いだろうと言われているSDカードである。書き込み速度も、こちらは30メガバイト/セカンドと書いてあるので、1秒間に30メガくらい行くという話だと思う。
こちらは表記的には1秒間85メガと書いてある。しかしこちらのほうは安い。トランセンドというところのものだが、速度はこちらのほうが早かった。私はデジカメを使ってからずっとこのメーカーのものを使っているので、それでデータが壊れたというのは全然ないので信頼しているが、書き込み速度ということに関しては、やはり有名メーカーというか、SUNDISKとかLexaeとか、ちょっと値段が高いもののほうが信頼性があるのではないか。録画ボタンを押す前に一番重要なのは、SDカードというところにもちょっとこだわりを持っていただきたいと思って話をさせていただいた。
せっかくなので動画を撮ってみたい。このカメラにした理由の1つは、私はニコンユーザーだが、ニコンのレンズが使えたりしておもしろいからである。レンズ交換式タイプはなかなかおもしろいと思う。こういうのを1つ覚えておけば、皆さんもカメラマンに指示ができると思うので、ぜひ覚えてもらいたい。
今、接写リングを付けた。先日、先ほどのホームビデオカメラではできないような撮影があった。バネ工場に行って、目視できないバネを撮った。バネだということが絵としてわからないようなもので、そういったものを動画に撮ってくれと言われたとき、純粋にカメラができる人なら接写リングをかませればいいのではないかということで、これくらいのものを撮ることができた。これは多分、他のカメラではなかなかできない。
こういうものも、応用編というわけではないが、ビデオカメラというのは、スチールカメラマンに持たせると結構表現がおもしろいと思う。これは広角系のレンズである。こういうものは普通、ビデオカメラ屋さんだったら嫌がると思う。住宅で、「ここからここまで映してください」というようなとき、我々スチールカメラマンからすれば、レンズがあるのだから簡単である。
多分、ビデオカメラマンが当たり前と思っている撮り方と、スチールカメラマンが思っている撮り方は、また一工夫あって、物の見方とか撮り方がちょっと違うので、お付き合いのあるカメラマンをどんどん刺激して「ビデオカメラやりなさいよ」と言ってあげたほうがいいと思う。
今お話ししていたのは動画を撮るというところである。SDカードを入れて、録画ボタンを押す、これだけである。やることは何もない。この間に、例えばズームしたり広角にしたりパンさせたり、こういうのは残念ながらここにマイクが付いていて全部拾ってしまう。知り合いでギンサン???というプロショップがあるが、何かちょっとましなマイクはないかということで紹介してもらった。
マイクがどこかに付いているが、ちゃんと音を拾ってくれない。はたまた、マイクのイヤホンジャックがあるので、ケーブルを出してカメラを据え置きにして、例えば社長さんをここに座らせてちょっと話してもらうのに、ここにマイクを置けないかというような、フレキシブルに使える、しかもカメラの上に置けば環境音まできれいに拾えるというような手頃なものはないかということで、おすすめいただいたのが、これである。
RODEさんのステレオコンデンサーマイク。これはちょっと大きいが、ものすごくいい。これはアマゾンで13,800円で売っていたので、何とかしろということで、もうすぐ金額が変わると思う。
なぜかというと、ニコン純正で出しているものが定価12,000円くらいで、実売はもう少し安いのかもしれない。マイクはちゃんとしたものがいいというのが、だんだんやっていくとわかってくると思う。
ただ、初めは無理することはない。私も当初はこれでやっていたし、7Dの頃はピンマイクのようなもので、イヤホンジャックがあるものを付けて、ここら辺で竹ひごみたいなひもで釣って音を拾ったりしていた。そのあたりは無理のない程度でやってみる。ただ値段的にもこれくらいで揃えられてしまうので、最初に買ってもいいのではないかと思って紹介した。
今、こちらのビデオカメラで1つ録画した。もう1つ、こちらでも簡単に、録画ボタンはこういうところにある。C600のところである。キヤノンだと背面のほうにある。これで録画が終わった。
現場でレフ板を使ったりモデルを遊ばせてみたりして撮った。次に、パソコンに取り込むにはどうすればいいかという話をしたい。取り込みも、最初は悩んだ。先ほど、SDカードは早いものを使ったほうがいいと言ったが、それをやるとカードリーダーをどんどん新しいものに替えなければいけなくなってしまう。私はそれが嫌なので、最近は直接カメラにUSBを差している。これがソニーだけなのか、他のメーカーがどうなっているのかはわからないが。
画面を確認してもらうために、こちらの画面も見てもらう。USBを接続すると、こういう画面が出る。ワンタッチディスクというのとUSB接続というのがあるが、USB接続というのをすると、今のようになる。
これをやると、ソニーの場合はここにマウントされる。なぜかD600と出ているが、通常はこういう形では出ていない。ひとまずカードリーダーがマウントされる。昨日Windowsでも確認したが、WindowsXPでもマイコンピュータから開けばマウントされている。
中に入っているものは、これはD600のほうのデータだから違うが、DCIMというフォルダとプライベートというフォルダがあって、動画がどこにあるかわからないので、よく知っているDCIMというフォルダの中を覗いてみると、実は静止画も撮れるので、そこには静止画しか入っていない。
もう1つの情報を見ると、こちらのほうがものすごいデータ量なので、どうやらこっちにあるということでプライベートというフォルダを開くと、ソニーは今AVCHD規格というふうになっているので、こういうフォルダが表れてくる。
さらにDDNVというのが出てきて、さらにこういうふうになっている。どこにデータがあるのかと思うが、ソニーの場合にはストリームというところにあるこのデータがまさに動画である。
ちょっと汎用的にVSCというところのソフトを使って見てみたい。これはカラマネには対応していないし、なめらかに動画も再生できないプレビューだが、ここにどうやら動画があったということで、これを引っ張ればいい。
Macの場合には素晴らしいソフトがあって、わざわざ階層の深いフォルダを探すことなく、イメージキャプチャーというのが公開されている。これは静止画でよく我々が使うソフトの1つである。ここに先ほどの動画ファイルが入ってくる。
これはニコントランスファーというニコンの取り込み専用ソフトだが、キヤノンにもカメラウインドーという純正の取り込み専用のソフトがある。そういったソフトを使ってもいいが、もしMacなら私はこれが一番いいと思う。もしくは、どのデータが来てもこれが一番シンプルだろうということでお勧めしようと思った。
画像を1個1個消すこともできるが、フォーマットをお勧めする。もちろんバックアップ等の話である。今HDMIケーブルはつないでいないが、ひとまず動画を入れて保存する。せっかくなので写真も1枚入れて、これでUSB接続を押す。
郡司:今ので言うと、先ほどの一眼レフ動画の場合には写真がメインで動画機能を付けたということで、こっちはビデオカメラで写真も撮れるということである。両方歩み寄ってしまった。カメラマンもそうである。どちらかというと今日のお2人は静止画がメインのフォトグラファーと言われているほうの人たちである。カメラマンは動画の人たちをよくカメラマンと呼んでいたが、静止画はプライドが高くてフォトグラファーなどと言っている。今は結構仕事が一緒になってきてしまった。
菊池氏:昨日ちょっと実験してみて、イメージプロセッサーで動画ファイルを認識していたはずだが、JPEGのデータしか見つからない。
鹿野氏:MPEG3とかMOVというのがそれである。
菊池氏:なるほど。今助け舟があった。動画にもいろいろ規格があって、こちらはAVCHD、こっちの一眼のほうはH264のMOV。
鹿野氏:どちらもH264だが、フォーマットがこっちはAVCHD、こっちはMOV。
菊池氏:こっちはフォーマットがMOVというものだそうだ。それには、先ほどのイメージキャプチャーというのは認識するようだが、AVCHDは頑なにMacとABCHDですごく仲が悪くて、今でもファイナルカットは読めないのか。
鹿野氏:読める。
菊池氏:今は読めるようになったのか。この間までは読めなかった。
鹿野氏:ファイナルカットプロから直接読みに行けばAVCHDの構造を持ったままでも読める。
菊池氏:なるほど。今はファイナルカットも読めるようになったようだ。ということで、残念ながらこれは先ほどのマウントされたところからストリームフォルダを読みに行くしかないということである。
USB接続して、マウントされたものが、no nameというものだが、この中にプライベートフォルダがある。
鹿野氏:そのときプライベートフォルダごとこちらに持ってくる。そうしないとその他のフォルダに入っている、くっついている情報を全部落としてしまう。このファイルだけ持っていけるが、付加情報が付いてこないのでブルーレイに焼けなくなってしまう。AVCHDは基本的にブルーレイに焼くためのフォーマットである。ところが、Macはブルーレイを頑なに拒否している。
菊池氏:なるほど。二転三転するが、私の仕事の場合はブルーレイに焼くことはなく、最終的な納品がYouTubeに上げるというところなので、純粋にそのあたりの情報を飛ばして、ストリームフォルダだけを通常ダウンロードするというかコピーしている。
例えばこれが1つの仕事の動画ファイルの中身だが、ここにストリームフォルダを入れて、各順番ごとにこうやって分けたりしていたが、ブルーレイに焼いたりするということをいろいろ考えたときに、ここにちゃんと意味があったということなので、プライベートというフォルダ自体をコピーしておけば、いろいろな形で納品ができるようだ。
ただ、先ほどのデータだけ吸い取ってもブルーレイには書き出せるのではないか。
鹿野氏:編集後にブルーレイに書き出せる。カメラとUSB接続したとき、USBともう1つ書き出しがあった。その書き出しというのは、ブルーレイに書き出してくれるものである。
菊池氏:ソニーが出している専用機械等でやる場合には、多分このフォルダごと必要だということなのだろう。了解した。ソニーはこんな感じであった。
それではD600のほう、一眼デジカメタイプのほうはどういうマウントの仕方をするのかということをやってみたい。これも同じようにカメラのほうにUSB接続接点があるのでこちらに入れてスイッチを押す。
こっちはニコンの専用ソフトの取り込みソフトが表れているが、こちらはマウントを使えない。USB接続のカスタマイズが今までできていたが、昨日見たところ、D600にはない。「これを単体のハードディスクのような形で認識しますか、もしくはただUSBだけでお互いをつなぎますか」という設定ができるところがあるが、いわゆるマウントするモードのUSBカスタム設定ができなかったので、先ほどうまくいかなかったイメージキャプチャーを、これで読み込めばデータが保存される。データがこれで保存された。
私が今使っているソフトは、さんざん郡司さんがファイナルカットの話をしていたが、その後話に出たプレミアというアドビの製品を使っている。
菊池氏:もう1つタワーのマシン、Macプロがあって、そちらのほうで静止画を処理したりしているが、このiMacは、茨城の田舎でやっているので大体カメラ直結で使ったりするときに、料理の撮影などはほとんどこのiMacを持っていって現場で撮影したりする。
いわゆる直結で撮影する用のiMac兼、動画の処理用としてこのパソコンを使っている。別に、決して早いというわけではないが、多分ソフトが非常に優秀なので、書き出し速度は最新のものと比べたら全然違うと思うが、私がやる限りの編集ではそんなに困らないのでこれを使っている。
バージョンはOS X ライオンで、しかもインテルコアのコア2デュオの2.93、メモリは8ギガ積んでいる。1067なので、やっぱり古い。今は1333なので、そんなに早いマシンではない。
アドビの製品は、私は全部、Photoshopもそうだが、上げられないでいる。マスターコレクションを持っているが、まだ5を使っている。それも郡司さんに言ったが、印刷関係はそんなにすぐ最新を使ったりしないから大丈夫ということだったので。
最新のバージョンだったりすると、実は最初に新規シーケンスというものを作らないといけない。私はここが一番、ついこの間までよくわからなかったところである。大体の予測で、自分の使っていたカメラの規格だからこれだろう。
その中にPとIがあって、いわゆるインターレースとプログレッシブがあって、この中で30Pとか25Pとかある。今では、さっきのように1秒間に何枚という話ができるからいいが、当時は全くわからなかったので、「多分これかな」というような感じで、これを選択してOKを押す。
今の新しいプレミア6を使うと、このプリセットが60Pタイプのものは、もう入っているので、それを選択しなければいけないのだろうが、私はしばらくソニーのビデオカメラとニコンの動画のカメラを使うことになると思うので、「一緒に使うときの注意点はあるか」とソニーに聞いたところ、「まず60Pとか30Pとか50Pとか、そのあたりのフレームレートだけちゃんと合わせてください」とのことだった。
それをちゃんと設定しないと、例えばこっちは50でこっちは60でというふうなことをしてしまうと、それは後で動画の書き出したときに明らかに目視しておかしな絵になる。それがカクカクしたものなのかどうかわからないが、「非常におかしいので、そのフレームレートだけは必ず合わせてください」と言われた。
今回で言うと、例えば1980で撮りたいなら、こっちは1980の60Pで撮れる。こちらは1980フルHDのモードだと60Pがなくて30Pしかない。そういう場合どうすればいいかというと、ただ30の倍数、例えば50なら50の倍数とか、100Pというのはないが、30と60はフレームレートが合うので、それは使って構わない。
まして、今お見せしている新規シーケンスのプリセットの中で、60Pのものも30Pのところで使っても構わない。ブルーレイに焼くという工程がない限り、60Pの再現はできないだろう。YouTubeくらいなら60Pなど必要ないので、とりあえず30のところを選択して、そこに落とし込めばいいと言われた。
もっと利点としては、1秒間に60万、こちらは1秒間に30万である。プレミアというソフトとかiMovieというソフトでは再生速度を早くしたり遅くしたりすることができる。そこで、60Pを使ってスローモーションにしてみると、それはそれはきれいな絵が撮れると言われた。そういう使い方もできるそうだ。
スローモーションというと、ジョン・ウーのような感じで、鳩がたくさん飛んできてその間を拳銃を持った人がばしばしやるというようなスローモーションのシーンというのは、きっと60Pで撮ると非常にきれいな絵が撮れるのだろうというのが推測される。
私は25Pでは撮らない派なので、30Pもしくは60Pで撮るモードでプリセットができるAVCHD1080P30。これは長辺では表示しないらしい。さっきも1280だった。フルHDではなくてHDサイズは1280の720だったが、このあたりの表示はどうやら短辺を表示させるようだ。そこはお間違えのないように、1980がないから心配になったりしなくてもいい。私は心配になった。「1980はどこだ」とずっと思ったが、この辺に書いてあるから大丈夫である。
これでようやくOKということで、シーケンスというものができた。このシーケンスパネルのところにどんどん動画を突っ込んでいき、テキストを入れたければテキストを突っ込んで、オーディオ、ビデオと書いてあるが、つまりビデオとオーディオをここの中に入れることができる。これはPhotoshopのようにレイヤーになっているので、音を重ねたり、絵を重ねたりということが容易にできる。
このシーケンスパネルがまず第1段階としてはできた。ファイナルカットもシーケンスを1つ作るのだろう。
鹿野氏:名前は違うが、タイムラインで。
菊池氏:こういうタイムラインというものを作る。次に、ここにプロジェクトというふうに名前が書いてある。いちいち名前は覚えなくてもいいと思う。多分ファイナルカットプロと名前が全部違う。
鹿野氏:ファイナルカットプロはシーケンスがプロジェクトである。
菊池氏:何か逆になっていたりするので、ややこしい。タイムラインにデータを入れるためには動画とか静止画とか音楽を入れておく保管庫みたいなところに一度読み込んでおかなくてはいけない。
先ほどで言うと、ストリームフォルダという、これは分解してスタートとか、順番に分けてしまっているが、これをこのあたりにフォルダごとどんと入れてやればいい。そうすると「ファイルをインポートする」というバーが出る。これだけで3ギガくらいあるので、今くらいの読み込み速度はかかってしまう。
これは今撮った絵ではないが、動画がずっと流れている。この中で使いたい絵をここから、イン点とアウト点をチェックして、ここからここまでを使いたいので、これをドラッグ&ドロップすると、これがタイムラインに乗る。こういう作業をどんどんつないでやっていく。例えばこの間にエフェクト効果で、皆さんもご存じのような、こういう効果を入れていくことができる。ドラッグ&ドロップでどんどんやっていけば、こういうふうに変わっていく。
あとは音楽で言うと、例えば音楽だけをここに入れてみるとか、ここも、例えばバックグラウンドの音が大きければちょっと下げるとか、だんだん大きくするとか、そういったことがここでできる。
テキストも簡単である。テキストパネルがここに現われてきて、こういったものも簡単に文字を入れられる。自由に、場所を移動したり、これだけを単純に、モーション効果など、わざわざアフターエフェクトを使うことなく、だんだん大きくなるとか回転するとか、動画自体を横にスライドさせたりといったことも、プレミアプロの中でできるので、このソフト1つ覚えておくと、わざわざ他のソフトを使うまでもなく完結できる。
書き出し方は、私の場合、YouTubeに納品するので、この中にある形式を選んで、今回で言うとH264を選ぶ。圧縮率が非常に高くて絵がきれいということでH264を選ぶ。この中にプリセットが入っているので、YouTube、ワイドスクリーンにするのかハイビジョンHDにするのか、それともスタンダードにするのか。HDだと長辺が1280くらいだと思う。SDで640だったと思う。それを自動的に書き出してくれる。
あとは選択するだけで、書き出してしまえば、大体この機械で通常私が作るものは10分ものくらいだが、10分で40~50分書き出しがかかる。パソコンのスペックが上がれば上がるほど、そのあたりはクリアされるのではないか。
無理してMacを使えとは言わないが、Macを使うことによってガレージバンドで音がいろいろ自分でできる人は使えたり、そういったところでの優位性があったりする。単純にパソコンスペックとか早さとかコストパフォーマンスを考えるなら、無理しないでWindowsでもいいのではないかと思っている。
2012年11月27日TG研究会「印刷会社のための動画ビジネスの基礎」より(文責編集)