本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
インプレスグループは東証1部上場のメディア企業で、インプレスというコンピュータ系だけでなく、リットーミュージックとか山と渓谷社とか、いくつかの出版社などをグループ化している会社である。
企業理念は、「面白いことを創造し、知恵と感動を共有する」である。要は「技術、ネットワークを利用して新しいことをやっていけば、何か面白いことができるだろう。面白いことというのはビジネスにつながるだろう」ということである。
インプレスが生み出したものとして、パソコン入門書「できるシリーズ」がある。それまで文字中心の解説書が普通だったが、Windowsが出てきてGUIという言葉が出てきて、GUI時代の新しい入門書ということで、文字を使わずに画面キャプチャだけで本を用意してしまおうとなった。
「インターネットマガジン」は、ちょうどインターネットが商用になる直前に情報誌ということで出した。このおかげでいろいろなプロバイダーが立ち上がったり、日本のインターネット業界が盛り上がった。
年賀状CD-ROMも、今はいろんな出版社から発行されているが、インプレスが最初に出した。書籍なのにCD-ROMを付けてしまうということで、いろいろなメディアでいろいろな表現ができるのではないかということをやっている。
「INTERNET Watch」は、今はWebのニュースサイトのイメージがあるが、当時はメール新聞と呼んでいた。メールというとプッシュ型なので、それをメディアにできるだろうということで、メールそのものを1行37文字とか5行広告と設計し、商品化したものである。
そのDNAを受け継いで生まれたのが、今私が副編集長を担当しているEPUBベースの電子出版の専門誌、「OnDeck」である。2010年12月にEPUBで創刊した。2011年2月にはmobi7と呼ばれるフォーマットで、Kindle版という形式でも発行していた。その年の年末にはJEPAから電子出版アワードの大賞をいただいたりしている。
現在はEPUB、Kindle、PDF、プリントオンデマンドという形でいろいろと発行している。
OnDeck weeklyは無料で配っている。メールアドレスと引き換えに送る。メールアドレスをいただいた人にはアンケートを実施して、アンケートに答えた方にはまた案内するというような形である。
OnDeck monthlyは有料版である。Kindleでも販売しているし、楽天koboでも販売している。マガストアではPDF版を販売している。また、プリントオンデマンド版をアマゾンと三省堂書店で販売している。
OnDeckをやって何が良かったかというと、EPUB版の定期刊行物を発行したことで、生きた情報が入ってきた。OnDeckを発行する以前、電子書籍を語っている方々がたくさんいたが、実際編集部に招いて原稿を書いてもらうと、例えばリフローというのをよくわかっていなかったりした。
原稿を発注すると、「何ページ書けばいいですか」「リフローなのでページがない」と言うと、「何を基準に書けばいいのか」と言われた。その人は1年、2年に渡って電子書籍の未来を語っている人だが、実は何も知らない。つまり、知識はあっても経験していないと何もわからないということが、発行していてよくわかった。
実際に我々がEPUBで作るときに一番戸惑ったのは、台割がなかったことである。そもそも台という考えがないので、どうしようかと思った。F割、ファイル割みたいな形でやって、ファイル単位でどう作るかとか、そういうふうなことをいろいろと考えた。
例えば「1記事は5分以内で読んだほうがいい」とか、スマートフォンで読む場合はどうするのかとか、どうやって読ませるのがいいかとかいうことを議論して、反映することにした。最近になって、その効果が見えてきたような感じである。
多フォーマット展開は、最初から構想していた。EPUBだけでなく、当時日本のフォーマットの主流であったXMDFとかドットブックでも出そうと思ったが、オープンだと言っているわりには、いざ話をしてみると「データをいただければ作ります。作り方は教えません。販売することを前提で契約してください」ということで、何がオープンなのかよくわからない。
我々がたどり着いたのはEPUBしか作れなかった。気が付くとKindleに変換できるということがわかったので、EPUBからKindleに変換したり、EPUBをもとにしてPDFを作ったりということを、その後やってきた。
これからの日本の出版社に一番求められるところだと思うが、編集・制作環境を革新した。つまり、印刷物を作ってから電子版は作らない。なぜかというと、もともと印刷はなかったので、電子しかやっていない。
ただ、先ほど多フォーマット展開と話したとおり、PDFを作ると印刷物になる。そうであれば電子を先に考えると発想がいろいろと面白くなるのではないかということで、電子を主、印刷を従にしたりということをやってきた。これが後で説明するNextPublishingというビジネスにつながっている。
ちなみに、OnDeck dailyという形でFacebookを運営している。これは最新トピックをいち早く配信するという建前でやっている。記事にできないようなトピックなど、裏は取れていないが他のメディアを引用する形でつぶやいたりということで、便利に使っている。
また、公式サイトをブログにしてしまおうと、今準備を進めている。EPUBを作ってわかったのは、EPUBでは検索対象にならないという非常に悲しい状態である。
つまり、一生懸命記事を書いても、開いて読んでもらわない限り、届かない。仕方がないので、ブログでもいいからサイトをちゃんと作ろうというのを、2年かかって気が付いた。
この中から生まれたのが、プリントオンデマンドによるNext Publishingである。
NextPublishingは、最新の電子出版技術を活用した出版メソッドである。ブランドではなくて出版メソッドと呼んでいるのは、単に電子化だったり新しい出版形態を真似すればいいかというとそういうものではなく、メソッド、考え方そのものが全く新しいというところから理解していただかなければいけない。下手に使うと火傷するようなものなので、メソッドと我々は呼んでいる。
2つ目のところは、これをやっているメリットとして出てきたが、現状の出版事業で経済的に困難な専門書の出版である。
インプレスグループでずっと悩ましかったのが、売れないので返品されるということで、「3,000部とか4,000部は刷れない」、「じゃあ2,000部でどうだ」というような話をずっとしていると、どんないい本でも出せない。出せないということは新しい知識が世の中に流通しないということになってしまうので、出版社としてどうなのかということで、これを実現できるようにしよう。
これは電子だけなら少部数でもいけるが、やはり紙を読みたいという人たちがいたので、それを実現するために、少部数でも成立するようなメソッドとして、これを定義したというところである。
3番目、優秀な個人や組織が保有するということなので、個人著者でもいいし、いろいろな大学とか企業とか、そういう組織が持っているようなものも流通できるような仕掛けを作ろうということである。
改めて特徴を言うと、先ほどOnDeckでデジタルを主と言ったのは、DTPソフトを使っているとかいう意味ではなくて、デジタルで出すということを大前提にしている。
紙で作るというのは、「初版部数何部だからどういうコスト構造になる」という計算式になるが、それをやっているとどうにもならない。
デジタルを主にすると、「1部も売れない」というところからスタートする。1部も売れないということになると、編集コストはかけられないし、著者に対して何も還元できないので、限りなく低コストの体制を作るというところがミソになっている。今日は紹介できないが、それを実現するための自社開発の変換システムを用意している。
2つ目は、電子書籍と印刷書籍が同じ編集プロセスで発行できるようにしている。一般的なワープロソフトであるWordを使って原稿を書くと、EPUBに変換できて、それを印刷用のPDFにすることができる。1つのソースで2つを同時に作ることができる仕組みである。
InDesignとか、今までのようにDTPソフトからEPUBを作るという発想でなくても、著者が書いた原稿をそのまま印刷物にしてしまおう、電子書籍にしてしまおうというプロセスを使っている。
3つ目としては、EPUBを標準フォーマットに採用している。XMDFとかドットブックは最初から採用しなかった。時間がかかったが、最近では「EPUBを採用していてよかった」という状態になりつつある。
もう1つ、印刷書籍はプリントオンデマンドを利用しているので、品切れがなく末永く販売できる。つまり、我々が言っているプリントオンデマンドというのは、少部数ではなくて1部である。1部単位で印刷するものを、プリントオンデマンドと呼んでいる。
つまり、5部でも印刷するような行為は全く行わないという方式で、在庫がゼロという考え方を実践している。
技術的なところは、Wordから変換するときには中間フォーマットで、XHTML5とCSS3を使っている。ここがある限り、EPUBは今3だが、これが4とか5になっても何とか対応できるだろうと考えている。日本語縦書きをサポートしているEPUB3にこれから変換する。原稿の作成・修正にはWordを使っている。印刷用PDFは、古くからの技術だが、自動組版ソフトLaTeXを使って自動変換もできるようにしている。
販売面の特徴は、プリントオンデマンドの印刷書籍だけしか扱っていない。これはアマゾンの仕組みをそのまま使っている。アマゾンが絶版本対策でやっている仕組みを新刊で利用している。最初、交渉したときは、アマゾンの担当者も「ちょっとよくわからない」という話をされたが、我々がやりたいことを言ったら結構応援していただいて、積極的に対応していただいた。
アマゾンの仕組みをそのままというのは、アマゾンの販売ストアで印刷版と出るところがプリントンデマンド版で出るだけで、お客さんから見ると動線的には何の変化もない。これがプリントオンデマンドで作られているか、オフセットで作られているか、誰も気づかないままに、いいコンテンツはそのまま買っていただけるというところである。
注文があると、それに応じて印刷・製本している。つまりアマゾンでクリックすると、倉庫にはないので、その倉庫にある印刷・製本機で印刷し、そのまま出荷してもらう。
三省堂書店に至っては、神保町本店にエスプレッソブックマシンという機械があるので、そこで注文すると、紙を入れて表紙印刷して、すぐ製本して10分後には手に届く。残念なのは、ほかほかと言いたいが全然ほかほかではない。印刷だけされて、ビニール袋に入れられる。
販売面では、電子書籍に関してはKindle、kobo、iBookstoreなどで販売している。結構いろいろなところで「EPUB始めました」と言っているが、我々はそこで売っていない。なぜかというと、残念ながら売れないからである。
つまり、「EPUB3対応しました」と言っても、縦組みのXMDF相当の表現力のものをサポートしたストアがほとんどで、残念ながら我々が作っているような、例えば表で、テーブルタグを使った瞬間に表示されない。箇条書きも表示されない。なぜそれをEPUB3と呼んでいるのかわからない。それが採用できているのは、この3社しか今のところない。
もう1つ、電子書籍というのは原則、返品はない。在庫リスクは抱えない。プリントオンデマンドも同じ仕組みになっているので、我々にとっては返品、在庫リスクというものを全く考えることなく、ただ売れた分だけが収入になるというモデルである。
我々にとって、アマゾンとは最大の電子書籍ストアである。OnDeckの読者の5割がKindleを使っていると答えたとおり、2012年10月以降の電子書籍の売上はグループ内でも驚くほど増えており、今までの電子書籍ストアは何だったんだというような状態になっている。
また、アマゾンは最大のネット書店でもある。ここがKindleの躍進の最大のポイントだと思う。「紙の本を探しに来たら、電子も売っているので電子を買った」という人がたくさんいる。やはり最大のネット書店であるということは、我々から見ると非常にインパクトがある。
さらに、アマゾンは、KDPという出版する人から見たときのサービスも徹底的に提供している。我々が今回オンデマンド出版を考えたとき、プリントオンデマンドを使えるストアはアマゾンだけであった。
アマゾンがあったから、NextPublishingはビジネスとして成立したと言える。NextPublishingは2012年5月からスタートしたが、そのときに発売したのが「DSP/RTB入門」である。その当時、まだまだ早かったネットマーケティング用語の解説書であった。グループ内で普通の出版に回してもよかったが、初版部数が読めないし、どの棚に並ぶのかわからないということがあった。そのため、オンデマンド出版にしてしまおうとなったが、結果的に今3,400部も売れてしまい、グループ会社のインプレスジャパンが「我々が出せなかったのはちょっと残念だ」と悔しがっている。それを全部プリントオンデマンドで出せたというところがミソである。
この説明をしにいくと、結構ビッグマーケティングに関心のある方がその本を買っていて、「実はこの本がそうなんです」と言うと、「これがプリントオンデマンドなんですか」と言う。つまり、買った人は、プリントオンデマンドが普通の本だという意識になっている。
出版社目線で見ると、プリントオンデマンドというのは否定的なイメージがあるが、読者視点で見ると紙の本として違和感がなかったということである。我々にとって、アマゾンがそれをサービスとして提供しているというところは、非常に大きかった。
プリントオンデマンドは「少部数」ではなく「1部」であることに意味がある。
この話をいろいろなところですると、「うちもプリントオンデマンド対応していいる。5部から刷れる」と言うが、「我々は5部刷ってほしくない。注文が来たときに1部を刷って渡してほしい」と言うと、「1部なんて作れない。最初は5部くらいじゃないとできない」となる。
つまり、我々は在庫を抱えたくないということが、日本の印刷会社には理解してもらえない。意識として、変えてほしいことだと思っている。
また、販売(流通)とセットで考えるべきモデルである。印刷を発注するのは、今までは出版社だった。したがって100部とかいう単位でプリントオンデマンドを使っていた。このモデルでは、発注するのは読者である。「この本を買いたい」というときにプリントオンデマンドのマシンが回り、1部印刷して送り届ける方式にこそ、プリントオンデマンド(出版)という新しいビジネスの可能性がある。
印刷・製本の品質は非常にムラがある。毎回同じ商品が作られる保証はない。出版側からすると、なぜ入稿したデータどおりに印刷されないのかということが多々ある。
プリントオンデマンドの品質は各社で異なる。そこで印刷見本帳を作ってみた。
「アマゾンのプリントオンデマンドの機械で印刷すると、何ができるかわからない」という会話をすると、きょとんとされる。
「なんで入稿したデータどおりに印刷されないのか」「そういうものなんです」と言うと、「じゃあ使えないじゃないか」とすぐ言われるが、使わないでいると、数千部ずっと作り続けるという今のモデルと何も変わらない。
それがあったので、どうせお金はかからないし、作って売れたらその分だけ売上になるということで、データをアマゾンにこそっと入れたら面白いのではないかと言って前向きになっていただいて、「自分で買います」と言ってくれた方もいた。
アマゾンではクリーム版(用紙)とホワイト版がある。何が違うかというと、束が微妙に違う。この厚さだとほとんど変わらないが、300ページ、400ページになると束が変わってくる。
あとは、何%のアミに何%の文字を乗せるとどうなるか、というところをいやらしくやってみたが、結論としては、頑張っている。意外にやったなと。なぜそう思ったかというと、今まで頑張っていなかったからである。
最初の頃に出したもので、OnDeck monthlyでアマゾン内を検索すると、「墨文字がアミになっている」というコメントが入っていて、見ると本当に墨文字がアミになっている。データを見ると墨100%だが、なぜかデータ処理されるとアミになっている。なぜなのか、いろいろやりとりしていたが、答えは特に出なくて、いろいろやってみて、今はちゃんと出るようになった。
アマゾンは日本の企業ではなくワールドワイドの企業なので、データ処理をアメリカで行っている。アメリカ人が日本のデータを見ながら処理しているので、アメリカンな感じで処理される。どういうことかと言うと、アメリカの出版物というのは読めることが大事なので、何%のアミとかではなく、文字が読めるかどうかという基準なので、オフセットで刷ったときとプリントオンデマンドのときに濃度が違っても、「読めているじゃないか」ということで気にしない。
それよりも一番気にするのは糊付けしたときのノドの詰まりである。ノドの空きは最大取りたいので、少しでも文字が重なっているとPDFをいい感じに処理してしまう。したがって、100%のデータを入れようとして98%に縮小されたり、拡大されたり、縦横比率が変わったりする。
その経験があったので、今回いやらしく定規を各ページに入れておいた。入れた途端、きれいに10センチ出る。漢字で書けばよかったのかもしれないが、算用数字で書いたので、多分わかったのだと思う。それで多分そのまま出してきたのではないか。
もう1つ、実はこれが三省堂である。文字が墨100で、背景70%で、もう潰れている。これを見ると、50%くらいからもう使えなくなっている。グラデーションなどは0-100だが、もうだめという感じである。そういうのがよくわかる。
聞いた限りだと、機械の性能としてはちゃんと作れるらしいが、エスプレッソブックマシンの設定上、そこまでやっていないらしい。そこで三省堂の店頭では50%以上は100%の墨みたいになってしまう。
こういう話をすると、「じゃあプリントオンデマンドはまだまだ実用にならないのか」と言われるが、我々の発想は違う。「50%で墨になるなら、使わなければいい。元データをこれに対応するように作っておけば使えるじゃないか」。
既存の印刷の知識から言うと、なんでそれができないのかという話があるが、「電子書籍と同じなのだ。電子書籍もストアによって表示結果が、紙でできていることができないことはたくさんある。それを実現するまで出さないというのは本末転倒なのではないか」ということで、このプリントオンデマンドというのは、そういう意味では電子書籍だと我々は理解している。
つまり、「電子書籍は紙になるのだ」。これを理解した瞬間に「在庫を持ちたくない」という会話がやっとわかってもらえる。電子書籍で在庫を抱えるというのは、話として面白くもないし、「とにかくお客さんが注文したときに届けばいいじゃないか」ということで、これが非常にプリントオンデマンドとしての面白さであると思う。
品質保証は、今まで出版社が印刷会社にお願いし、仕上がったものを見てOKを出したが、ストア側のほうになる。買っていただくとわかるが、「落丁乱丁本はアマゾンカスタマーセンターへお問い合わせしてください」と書いてある。我々に聞かれても乱丁落丁は何も答えられない。
ここがまさにポイントである。電子書籍も同じである。多分、ビューワ―によって全然表示結果が違うが、出版社はほとんどもうサポートしきれないところにある。それと同じものが、プリントオンデマンドを使うと同じような状態になるということである。そこのところを意識した新しい商品を作ると非常に面白いのではないかというのが、我々がやっている新しい取り組みの最大のところである。
もう1つ、実はこれで何が起こるかというと、書店流通していないので、再販価格維持商品対象になっていない。今は1,050円で売っているが、明日から5,000円にしようと思えばできる。今5,000円にして皆さんに買っていただければ一番いいが、そういうことも可能である。
アマゾンは、今のところこれは、Kindleと同じような売り方は可能だが、紙という物理的なメディアなので、そういう刺激的な売り方はまだ提案していないようだが、技術的には可能なので、紙書籍も同じような世界がいつか来るかもしれない。
欠点としては、今は1色しかない。モノクロの文字ものならいけると思うが、インプレスグループで作っているようなコンピュータの解説書はオールカラーになっているので、「できない」という話をすぐにする。
ただ、私から言わせると、オールカラーである必要性は感じない。どちらかというと、そこで何を表現したいのかのほうをこだわってくれればいい。「できるシリーズ」は先に2色で始めて、4色のほうがわかりやすいだろうということで進んできたが、別に1色に戻してもいいのではないかという話を、今グループ内で説得中である。
また、こちらで先に設計すると、いろいろ面白いことができるのではないか。アマゾンのクオリティでオフセット印刷をしておけば、オフセット版とプリントオンデマンド版の品質差はあまり感じなくなるのではないかと思うので、そのあたり、結構今後面白いことになるのではないかと思っている。
これも全部OnDeckという電子書籍のメディアからの派生系でやっていることである。今回、Kindle中心に期待して来られていると思うが、発想は完璧に電子書籍である。これは電子書籍のマスターデータをアマゾンに収めるのと同じように、印刷のマスターデータをアマゾンに収めている。
そして必要に応じて印刷して届けられる。こういうことがあまり知られていないので、今日は情報として持って帰っていただければと思う。
2013年6月12日TG研究会「アマゾン電子書籍が出版に与えるインパクト」より(文責編集)