クロスメディア時代のWebマーケティング[PAGE C5報告]
掲載日: 2009年03月07日
PAGE2009 デジタルメディアトラックC5「クロスメディア時代のWebマーケティング」報告
2009年2月6日(金)のPAGE2009 デジタルメディアトラックC5「
クロスメディア時代のWebマーケティング 」では、ユーザ行動分析、アクセス解析、ターゲティング広告など、Webビジネスにおける戦略的なマーケティング活用方法を模索した。講師は
株式会社サイバーテック 取締役 小野雅史氏、
コマップ株式会社 取締役モバイルコンテンツ開発事業部長 横大路順一氏、同メディア開発部長 有村寛氏、
株式会社アイレップ 代表取締役社長COO兼サービスマネジメント本部長 紺野俊介氏、
ダブルクリック株式会社 モバイルビジネス事業部シニアマネージャー 櫻井隆氏。
最初にモデレータ小野氏からのイントロダクション。Webマーケティングにおけるクロスメディア事例、クロスメディアの定義、XML技術の活用と想定ケースを紹介。クロスメディア型ビジネスが登場していることをおさえたうえで、このセッションでのキーワードとして「発信者の多様化」「業種間の連携・人材育成」「デバイスの多様化」を挙げた。
次に横大路氏、有村氏による「プロモーションとマーケティングの同時進行形を目指すPITCOM」と題したプレゼン。
これまでの一方向性であったプロモーションをクロスメディア展開し、時間・場所にも限定されない双方向性プロモーションへと進化したケータイプロモーションを紹介。
PITCOM は、モザイク画像の画像集積システムをベースにしたクロスメディアツール。プロモーションとマーケティングを同時に行えるシステムとして、注目を集め始めている。ユーザは参加型キャンペーンにより自分の写真をフォトモザイク上で確認できる。バイラル効果が非常に高いとしている。コミュニティ化もスムーズであり、クライアントにとって、顧客と一体化したキャンペーンの施策、ファン作りの施策が行えるとして好評であるという。
ケータイ上の参加型キャンペーンからテレビCM、ポスター、ラッピングバスなどへの展開事例なども紹介。
続いて「SEM戦略の重要性と未来像」と題した紺野氏のプレゼン。Yahoo!やGoogleをはじめとした検索エンジンにおける今後のマーケティング戦略について紹介。
情報マッチング技術としての検索が情報社会における核となることを踏まえて、適切n情報を適切なユーザに配信できるように支援する「情報流通の最適化」がアイレップの役割であることを説明。
リスティング広告とSEOのそれぞれの特徴について解説。SEOがhtmlやサイト内部の構造化や外部リンク施行などが必要となる技術手法であるのに対して、リスティング広告は掲載順位やクリエイティブやランディングページのコントロールが可能な広告手法である。さらにリスティング広告は検索連動型と検索非連動型(コンテンツ連動型)にわかれる。参考資料としてアイレップSEM総合研究所によるそれぞれの相関図の調査結果も示された。
SEOについても触れた。顧客となり得るモチベーションを持った検索ユーザをもれなく囲い込めるWebサイトの環境を整備すること、さまざまな媒体からのタッチポイントとしての役割をサポートすること、それらがSEOのゴールであるとした。これまでのSEOは検索エンジンに登録したりといった、SEO目的のリンク獲得であったことに対して、これからのSEOは企業の活動成果をリンク資産に転換することであり、SEO効果を考えたWebマーケティングの戦略設計&展開が求められるとした。
最後に「モバイルにおけるリマーケティングの必要性」と題した櫻井氏のプレゼン。モバイルマーケティングにおけるデータとして、約85%の企業がモバイルサイトを未構築である現状を説明。ユーザは全年代に広がり、市場も拡大傾向にある。そんな中、ダブルクリック社は
MobileMK というツールを拡販している。モバイルサイトの設計からマーケティングまでワンストップで可能となるものだが、ASP版もあり、ユーザは増加しているという。
いくつかの実例をまじえながら、ツールとツールを使ったマーケティングについて解説。ホテル業界、ゲームメーカー、アミューズメント、医療、流通などタイプ別事例のなかから、アパレルメーカーのキャンペーンフローや家電量販店のキャンペーンフローを詳説。顧客視点でサービスを設定し、メールなどによるプロモーションから顧客データベースを構築。アクセス解析により仮説検証を繰り返していく流れなど。
各社のプレゼンの合間にはモデレータとの意見交換も行われた。
それぞれの詳細、スライドの再掲などはクロスメディア研究会会報にて掲載予定。(
研究会について )