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印刷関連市場、資材統計から見る景況

市場動向

2006年3月の書籍・雑誌販売金額前年比は▲1.7%で再び前年割れになった。2月は書籍がプラスで全体としても前年を上回ったが、3月は書籍が▲0.9%であったことがマイナスの要因である。雑誌がマイナス成長を続ける中で、書籍の動向次第で全体のプラス・マイナス幅が変動するのが最近のパターンになっている。
書籍で売れているのは、映画化された作品で、文芸書やノンフィクション系読み物は伸び悩んでいるという。雑誌は相変わらず週刊誌が悪い。

3月の広告業売上前年比は▲1.4%であった。マス4媒体全体は昨年10月以降6カ月連続の前年割れ(▲1.1%)である。テレビが6ヶ月連続の前年割れて全体の足を引っ張っているが、3月は新聞も前年割れ(▲0.3%)となり、2月よりもマイナス幅が大きくなっている。雑誌は▲7.6%と大幅なマイナス、ラジオも▲0.1%とわずかながら前年を下回った。2月に▲12.6%という大幅な落ち込みになった折込・DMだが、3月は8.2%増と回復している。交通広告も好調(7.9%増)であった。

仕事の状況

3月の一般インキの出荷販売量前年比は±0.0%の横ばいであった。内容を見ると、平版インキは3ヶ月ぶりに前年を上回った(0.3%増)がシェアの大きいグラビアインキが▲0.8%だったので、全体としては前年並みになった。樹脂凸版インキは▲1.5%で一進一退での推移ながらトレンドは減少である。3月の金属インキの出荷販売量は▲0.1%でマイナスに歯止めがかかっていない。いずれにしても、平版インキの回復がないと、全体の伸びも期待できない。

3月の印刷情報用紙の国内出荷高前年比は0.8%増の微増であった。非塗工用紙は2月に続いて前年同月を上回る2.4%増である。上級紙(3.1%増)が2月の6.0%増に続いて伸びている。塗工用紙は、コート紙が1.0%増と若干伸びたが、軽量コートが▲1.7%と前年を下回り、全体としては±0.0%である。微塗工印刷用紙は、2月(3.7%増)並みの3.6%増である。情報用紙は、フォーム用紙が▲10.1%と落ち込んで足を引っ張り、全体としては▲1.0%に終わった。

(「JAGAT info 2006年7月号」より)

2006/07/09 00:00:00


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