本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

回復基調にある設備投資意欲

JAGATが実施した2005年度「印刷産業経営力調査」結果から、設備投資予定の回答結果を紹介する。

前期より増加がほぼ半数

図1は、2006年4月から2007年3月までの設備投資(システムやソフトウェアを含める)の予定を表したものである。「前期より大幅に増やす」が12.0%、「前期よりやや増やす」が37.2%と両者を合わせればほ50%となっている。
一方で「前期より大幅に減らす」は2.7%、「前期よりやや減らす」は6.6%と両者を合わせても10%に満たない。したがって、印刷会社の設備投資意欲はかなり回復してきたといえる。

根強いハードウェア志向

設備投資の内容を導入・増設意向の設問やフリーコメントなどから推測すると以下のようになる。

JDF対応MISや工程進捗管理ソフトなどのシステム投資についてのコメントも散見するが、まだまだハードウェア志向が強く、システムやソフトウェアは設備の補完的な意味合いのようだ。

世代交代に向かうMISパッケージ

印刷業界において、MISやERPパッケージの導入がなかなか成功しないというのは、日本に限らず世界共通の課題のようで、今年4月にイギリスのバーミンガムで開催されたIPEXでは、そうした現状を踏まえたうえでの新たな提案がいくつか見られた。特徴はよりインテリジェンスに、よりビジュアルにという2点である。
経営判断の意思決定に役立つ情報をいかにわかりやすく可視化して提供するかが大きなテーマとなっている。
例としては、EFI社のEIS(Executive Information System)(図2)、コダック社のEMS(Enterprise Management Solution)、Optimus社のMISなどがある。いずれもJDF対応である。

言語の問題だけでなく商習慣の違いもあり、これらの製品の日本へのローカライズは並大抵ではないと思われるが、こうした動向は日本の既存のMISシステムにも確実に影響を及ぼすと考えられる。
小ロット化が進み、受注点数が増え、かつバリアブル印刷など手間のかかる仕事が増え、管理コストが増大するという構図もまた世界共通で、業務管理システムは世代交代の時期を迎えつつあるように感じる。印刷会社の設備投資の対象として、魅力的な製品が次々と登場することを期待したい。

関連セミナー
最適化理論を応用した工程管理ソフト「PrintFlow」の機能を探る

「印刷産業経営力調査」の詳細報告書は、こちら

2006/07/12 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会