本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

データマッピングツールのセミナーを、東京→大阪中継

東京・大阪でライブ中継セミナーを実施

大阪会場の質問に答える講師の佐々木氏

JAGATでは研究会として、印刷会社の技術者・管理者や印刷関連メーカーの技術者の方々などをメンバーとした調査研究のための活動を行っている。従来、研究会ではミーティングやセミナーを東京のJAGAT研修室で実施してきたが、東京近郊の方しか参加しにくいという問題があった。

2006年7月よりネットワークを利用した遠隔地セミナーシステムを導入した。これにより、大阪印刷会館セミナー室において、東京開催のセミナーやミーティングをライブ中継(映像・音声・プレゼンテーション画面)で視聴し、参加することができるようになった。
プロジェクタに講師のプレゼンテーション画面を表示し、液晶テレビと音声によって講演内容や講師の表情を伝える。東京会場の講師も、モニタ画面で関西地区の参加者の様子を見ることができ、質疑応答もリアルタイムで行うことができる。

第1回「ライブ中継セミナー」として、テキスト&グラフィックス研究会「データマッピングツールを利用した自動組版・編集」を7月4日に開催した。双方向のシステムを利用して、大阪会場からの質問に東京会場の講師が答えるなど、活発な議論が行われた。
以下は、その報告である。
大阪会場の参加者からは、「東京に行かないで受講できるのは素晴らしいと思う」「思っていたよりも音声・映像に違和感なく見られた」という声が寄せられた。

マッピングツールを利用した自動組版・編集

近年、自動組版への関心が高くなっている。得意先である多くの企業や官公庁でも、WordやExcel、データベースなどが利用され、印刷物の原稿となる元データがデジタル化されている。また、印刷レイアウトと同時にWeb配信用のHTMLを最小限の手間で制作したいという要求もある。何よりページ当たりの制作費用を抑えなければ、受注することもできない。

自動組版のプログラムでは、文字の付加などデータの前加工と呼ばれる部分と、各レイアウトソフトのフォーマットに変更する部分がある。これらをデータマッピングという手法で実現することで、プログラミングレスの自動組版を実現することが可能である。

富士フイルムグラフィックシステムズの佐々木健至氏は、メーカーの立場から「DTP Spider」の機能について紹介した。
ExcelやWord、CSVのほか、RDBやXMLをデータソースとして、各種の変換設定を行うことができる。英数字の半角・全角変換や、数字の3桁カンマ挿入、用語統一などのデータの整理・加工が、プログラミングレスで自動化できる。
各種データの前処理を行った上でInDesignなどのDTPソフトに流し込むため、InDesignの機能を利用したデザインや修正が可能である。

フレイマーグループの梅本直行氏は、DTP制作会社で制作を担当している立場からDTP Spiderの評価を語った。
通常の自動組版では、専門のシステム設計者が事前の分析によりレイアウトフォーマットを設計し、プログラミングを行う必要がある。DTP Spiderでは、複雑な自動化は難しいが、DTPオペレータが1人で運用できるため、非常に効率的であるとのことであった。

液晶テレビに映る講師に質問する大阪会場の参加者
前方のプロジェクタには、講師のプレゼンテーション画面が映っている

ライブ中継セミナーのご案内

今後さらに多くのセミナーをライブ中継する予定である。

7月31日(月)「ビジネスに活かすためのWeb2.0」
8月11日(金)「コミックの制作・管理とデジタル配信」
8月22日(火)「広色域インキ印刷の実用化」
8月29日(火)「デジタルアーカイブと制作動向」
8月30日(水)「広告市場の最新動向」

ライブセミナー実施のお知らせ

各回とも時間は14〜16時、JAGAT研修室、大阪印刷会館セミナー室(大阪市都島区中野町4-4-2)で行います。
日程・内容は変更する場合もありますので、ファックスによる個別の案内、またはWebサイトでご確認ください。

テキスト&グラフィックス研究会 DTP・プリプレスや画像処理、ドキュメント管理に関するテーマを扱う
クロスメディア研究会 クロスメディア関連の技術やビジネス動向を扱う
プリンティングマーケティング研究会 印刷マーケットの動向を扱う

2006/07/25 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会