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印刷関連市場、資材統計から見る景況

市場動向

2006年4月の書籍・雑誌販売金額前年比は▲8.7%の大幅な前年割れになった。雑誌が▲13.3%という2桁のマイナスになった上に、書籍も▲2.3%で2ヶ月連続の前年割れになったからである。雑誌の大幅な前年割れは「発行部数・金額ともに振るわなかったことに加えて、稼働日が1日少ない、返品率が大幅に上昇など、悪い条件が重なったもの」。また、書籍は、「『国家の品格』、『ダ・ヴィンチ・コード』、『ナルニア国物語』」等のベストセラーによって、売れ行きは良好」(出版月報)という。

4月の広告業売上前年比は▲0.1%と前年並みであった。ただし、マス4媒体全体は▲6.3%と大幅な前年割れになっている。昨年10月以降7カ月連続の前年割れである。4月は、テレビの▲5.2%を始め、他の3媒体も5%を上回る前年割れになっている。SP関係では交通広告が7.9%増で好調であった。折込み・ダイレクトメールは4.6%増と順調だが、SP/PR/催事企画は0.1%増と前年並みに終わった。2005年に復調の兆しを見せた屋外広告だが、この3ヶ月は5%以上の前年割れである。

仕事の状況

4月の一般インキの出荷販売量前年比は0.9%増で、3月に続いて前年並みでの推移となった。内容を見ると、3月に3ヶ月ぶりにプラスになった平版インキが1.5%増とプラス幅を拡大した。しかし、樹脂凸版インキ(▲2.2%)、金属印刷インキ(▲1.8%)、グラビアインキ(▲0.4%)など、他のインキが軒並み前年割れとなったために、全体としては前年並みに終わった。しかし、平版インキが2ヶ月連続のプラスで推移したことは、今後に期待を持たせるものである。

4月の印刷情報用紙の国内出荷高前年比は0.6%増であった。非塗工印刷用紙は1、2月の順調な伸びから一転、▲5.6%である。中級用紙(▲16.2%)、下級用紙(▲7.2%)が大幅な前年割れになった。微塗工印刷用紙は好調で、2月の3.7%増、3月の3.6%増に続いて、4月は7.7%増になっている。塗工印刷用紙は、アート紙は不調(▲5.6%)だが、コート紙が2.3%増、軽量コートが2.7%増と順調である。情報用紙は、フォーム用紙が3月に続いて2桁近く落ちている(▲9.3%)。

(「JAGAT info 2006年8月号」より)

2006/08/01 00:00:00


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