本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

音が出る印刷物 〜SPコードとスピーチオ UD印刷事例その2

小川印刷株式会社 ユニバーサルデザイン事業部 部長 渡辺慶子

今号も、ユニバーサルデザイン(以下UD)印刷の事例を紹介します。

音が出る印刷物ってあるの?

それは、SPコード(図1)付き印刷物です。
「SPコード」とは、縦横18mmの大きさに、日本語で約800文字が記述できるコードです。専用ソフトをインストールすれば、Microsoft Wordで作成した文章を簡単にコード化できます。 作成したSPコードは、一般的なレーザープリンタ(600dpi以上を推奨)で出力ができ、専用読み取り装置「スピーチオ」で聞くことができます。


▲図1 音の出るコード「SPコード」

読み取り装置「スピーチオ」

スピーチオ(図2)は、高齢者や視覚障害者に向けて開発されたSPコード専用読み取り装置です。日常生活用具として厚生労働省の給付対象品に指定されているので、視覚障害の方には、ほぼ無償で支給されます。


▲図2 SPコードを読んでくれる「スピーチオ」

なぜ、UD印刷なの?

SPコード付き印刷物は、下記の理由からUD印刷として期待されています。
(1)パソコン操作の苦手な人でも、スピーチオの操作は簡単にできる。
(2)音声で聞いても分かりやすい文章表現のため、多くの人が読みやすい。
(3)SPコードの目印となる切りかきは、ページのめくりやすさの役割もある。
(4)SPコードの文字データは、音声・点字・テキストと幅広い媒体に活用できる。
(5)一つの媒体で、目からも耳からも同じ情報を得ることができる。 このような新しい情報伝達の形は、ビジネス、バリアフリー、教育、日常生活など幅広い可能性をもっています。
行政、企業がSPコードを積極的に導入しているのもその現れでしょう(図3)。

…次号も、UD印刷事例を引き続き考察していきます。


▲図3 SPコード付き印刷物は、近年、行政や企業が積極的に導入。UD印刷の広がりが期待できる。

*参考:SPコード公式ホームページ

印刷物にユニバーサルデザインを導入 その2
印刷物にユニバーサルデザインを導入 その1
ユニバーサルデザインって何? その3
ユニバーサルデザインって何? その2
ユニバーサルデザインって何? その1
江戸川区バリアフリーマップ UD印刷事例その1

『プリンターズサークル』10月号より

2006/10/15 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会