本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

印刷関連市場、資材統計から見る景況

市場動向

7月の書籍雑誌推定販売金額は、▲4.9%であった。2004年当たりから、書籍の動向によって書籍雑誌販売額全体のプラスマイナスが決まる動きが定着している。7月は、雑誌が▲6.1%と大幅な前年割れになっただけでなく、書籍が▲3.0%となったことによって全体のマイナス幅が大きくなった。ただし、書籍の販売部数のマイナス幅は▲1.8%と金額ほどのマイナスにはなっていない。新書本、文庫本などの低価格本が好調であることを示すもので、昨年末以降続いている傾向である。

7月の広告業売上前年比は4.0%増で6月のマイナス(▲0.2%)から一転して好調あった。2006年に入ってからの7ヶ月は、小幅な前年割れの月が4回ある一方、5月の6.5%増、7月の4.0%増と高い伸びをする月があるなど、不安定な動きになっている。7月は、テレビが再び前年割れになってマス4媒体全てがマイナス成長であった。しかし、その他(20.3%増)、交通広告が健闘(8.9%増)し、折込・DMも堅調(1.5%増)であることで全体としてはプラスになった。

仕事の状況

7月の一般インキの出荷販売量前年比は1.2%減であった。平版インキは5.8%増となり、2005年8月以降で最も高い伸びとなった。しかし、6月は0.2%減であったから安定して伸びているというわけでもない。平版インキに次いで大きいグラビアインキも1.8%増となった。ただし、樹脂凸版インキ、金属印刷インキはそれぞれ▲7.5%、▲9.5%となり、全体の足を引っ張った。ここのところ伸びているのが新聞インキである。カラー化が貢献しているものと思われる。

7月の印刷・情報用紙の国内出荷高前年比は0.3%増で、6月に続いてほぼ前年並みであった。情報用紙は,主力のフォーム用紙(▲2.7%)、PPC用紙(▲1.8%)が前年割れとなって、全体としても▲0.5%となった。印刷用紙では、非塗工紙が久しぶりに1.5%と前年を上回った。上級紙(4.7%増)、中級紙(4.2%増)ともに大幅に伸びたからである。微塗工紙はやや伸びが鈍って1.1%増であった。塗工紙は軽量コート紙が前年割れ(▲0.3%)になり、全体としては▲0.1%の前年並みであった。

(「JAGAT info 2006年11月号」より)

2006/11/12 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会