筆者の独断と偏見で「美しい国」を象徴する歌を選んでみました。最初に紹介するのは、筆者が昭和11年 尋常小学校に入学したときに習った「日の丸の旗」の歌詞です。
文部省尋常小学唱歌「日の丸の旗」
一
白地に赤く
日の丸染めて、
ああ美しや、
日本の旗は。
二
朝日に昇る
勢ひ見せて、
ああ勇ましや、
日本の旗は。
現在は二番が大きく変わっています
一
白地に赤く
日の丸染めて、
ああ美しい
日本の旗は。
二
青空高く
日の丸揚げて
ああ美しい
日本の旗は
この場合の「美しい」は、日の丸の旗のデザインの美しさだけを歌ったものではなく、日本の国の美しさをも表現していると理解できるのではないでしょうか。
次に紹介するのは、18世紀徳川時代を代表する国学者 本居宣長が61歳のときに読んだとされる五七五七七の短歌形式の和歌です。
『敷島の大和心を人問わば朝日に匂う山桜花』
この歌は、美しいという語句は使用していませんが、日本人が本来持っている「潔い美しい心」や「もののあわれを解する心」を朝日に匂う山桜にたとえたと筆者は理解して います。 [注] もののあわれ:源氏物語などの王朝文学を知る上で重要な文学的・美的理念の一つ
次にアメリカで第二の国歌とも呼ばれている[America the Beautiful]の歌詞を読んでみたいと思います。歌詞の日本語訳はhttp://www.worldfolksong.comから引用しました。
アメリカ・ザ・ビューティフル
一
なんと美しいのだ 広大な空よ
琥珀色に波打つ岩肌よ 荘厳な深紅の山々よ
果実をもたらす平原の上に!
アメリカ!アメリカ!
主は汝に恩恵を与えたもう
冠を頂きし同胞たちとの幸福
太平洋から大西洋へとひろがりゆく
三
なんと美しいのだ 英雄たちの自由への奮闘よ
自らを犠牲にして祖国を愛する人々よ
そして命をも厭わない慈愛よ
アメリカ!アメリカ!
主が汝の黄金を精錬されんことを願わん
全ての結果を崇高ならしめ
全ての収穫を神聖ならしめるまで
[注] 歌詞の二番、四番は省略しました
筆者が注目したのは歌詞の三番です。美しいと人々が感じる人間の行為に、自己犠牲精神の発揮が含まれることについてです。
2006/12/18 00:00:00