インクジェットプルーフの運用事例(研究会速報)
アベイズム株式会社 IPセンター 所長 佐々木陽介氏
アベイズム株式会社は、創業1946年、青写真、トレース、マイクロフィルム、印刷事業をおこない、1968年阿部写真印刷に改称した。その後、出版事業、ハードウェア設計を手がけ、2001年からアベイズム株式会社に改称する。
主な事業は、マニュアル、出版物、カタログなどであり、従業員は約600名である。
従来、校正については平台校正やカラーアートを使用していたが、2000年のCTP導入と同時に、DDCP運用を開始した。
色校正に要求されることは、現場では信用のできる色見本(色再現)、最終仕上がりとの整合性、安定した印刷見本である。また、顧客では、本紙対応や実際の印刷と同じもの(本機校正)が要求される。
ハイエンドDDCPを使用しても、要求品質の高い仕事では、内校程度でしか使用できない。したがって、簡易校正と本機校正の二極化が起こっている。
インクジェットプルーフは、ハイエンドDDCPの代替となり得るか? インクジェットプルーフは、紙とインクとカラーマネジメントシステムによって、調子再現能力向上やプリンタコンディションの安定、網点、解像度(1bitTIFF対応)の確認によりモアレのチェックも可能である。
gmgカラープルーフ採用の経緯は、2005年7月に初めて見学し、10月からテストを開始した。2006年1月に導入して3月に本運用開始になった。
導入のポイントは、データ出しが容易であること、マッチング精度がよく、メンテナンスが容易なことがあげられる。
校正等で使用される色差僞は、平均値をとると意味がない場合もある。印刷物のポイントになる絵柄の色味が、合っているかどうかが重要である。gmgのカラープルーフは、僞0.7〜6程度であり、導入後約1年経過するが満足して使用している。
インクジェットプルーフの問題点は、用紙の選択肢が少ないこと(専用紙の壁)、プリンタの色域、ターゲットカラーのメンテナンス等がある。課題は、多色印刷対応やカラーコミュニケーションであるリモートプルーフがあげあられる。
2006/12/25 00:00:00