本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

印刷関連市場、資材統計から見る景況

市場動向

12月の書籍雑誌推定販売金額前年比は△0.1 %でほぼ前年並みであった。書籍が6.6%増と大きく伸びたが雑誌は相変わらず(△3.9%)である。書籍は教養新書、文庫本など、1000円以下の廉価本が売れているので、2006年は常に販売部数前年比が販売金額前年比を上回ってきた。具体的には販売金額が△2.0%、販売部数が2.1%増である。ちなみに、12月の書籍販売部数前年比は12.4%増。雑誌は、月刊誌が△4.0%、週刊誌が△3.9%であった。返品率は両者とも上昇が続いている。

12月の広告業売上前年比は0.8% 増と4ヶ月ぶりに前年を上回った。ただし、相変わらずマス4媒体は不振で△2.5%であった。新聞(△8.5%)、雑誌(△9.9%)、ラジオ(△10.6%)は大きく前年を下回ったが、テレビは6ヶ月ぶりに1.5%増と前年を上回った。SP関係では、交通広告(6.3%増)、折込・ダイレクトメール(6.2%増)が好調であった。屋外広告、SP/PR/催事企画は9月以降前年割れが続いている。年間を通して元気だったのは、交通広告、折込・ダイレクトメールだった。

仕事の状況

12月の一般インキの出荷販売量前年比は1.5% 増で6ヶ月連続で前年を上回った。2006年全体では0.7%増に終わったが、上期が△1.1%、下期が1.5%増と後半の回復が明確である。12月の平版インキは2.2%増、3ヶ月連続で前年を上回った。上期が0.6%増、下期が2.8%増であり、下期に前年比がマイナスになったのは9月だけ、さらに月々の推移を見ても順調に回復しているといえる。他のインキも同様の推移となっており、景気回復のプラスが明確だ。

12月の印刷・情報用紙の出荷販売量前年比は2.2% 増であった。12月の特長は非塗工紙の4種全てが前年を上回ったことである。塗工紙は、全体としては1.6%増で順調に伸びたが、鈍化傾向にある軽量コート紙の前年比は0.1%増に留まり、アート紙(12.4%増)、コート紙(2.1%増)のプラスが全体を引き上げた。微塗工紙は3.5%増であったが、鈍化傾向に歯止めが掛かったとの判断は早計だろう。フォーム用紙は2006年全体で前年比△3.3%、PPC用紙は1.6%増であった。

(「JAGAT info 2007年4月号」より)

2007/04/17 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会