インキは1年間でどのくらい使いますか?
印刷界OUTLOOK2007(9)
●インキ出荷量は3年ぶりに減少
経済産業省の「平成17年化学工業統計年報」によると、2005年の一般インキ(印刷インキの合計から新聞インキを除いたもの)の販売量は、前年比0.5%減の43万4051トンとなり、3年ぶりの減少となりました。販売金額も前年比0.7%減少して2959億3300万円となりました。
印刷インキの構成比を見ると、平版インキが36.3%、グラビア用インキ(2002年よりプラスチックフィルム印刷などで使用する特殊グラビアと出版グラビアインキが統合)が31.9%で、この2つで販売量の半数以上を占めます。以下は新聞インキ12.7%、その他インキ(2002年より凸版・凸版輪転インキはその他のインキに統合)10.9%、樹脂凸版インキ(2002年ゴム凸版から名称変更)5.1%、金属印刷インキ3.1%です。10年前の1995年と比較すると、平版インキの占める割合が年々増えています。このほか新聞インキも割合を伸ばしています。この2つは販売数量も伸びています。逆に金属印刷インキ、樹脂凸版インキは割合を下げるとともに、販売数量も落ちており、特に金属印刷インキの落ち込みが大きくなっています。グラビアインキは割合が落ち、販売数量も1.4%減となっています。
全印工連の「平成18年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によると、平成18年度の材料費のうちインキ代が占める割合は、8.5%(前年7.5%)となっています(回答433社)。
●伸び続く平版用インキ
一般インキ品目別出荷量の販売数量上位3品目を見ると、平版が販売数量18万325トン(前年比1.8%増)、販売金額が1173億2800万円(同3.6%減)、グラビアが販売数量15万8649トン(前年比1.4%減)、販売金額717億5800万円(同1.6%減)、その他のインキが販売数量5万4334トン(同0.5%増)、販売金額739億1400万円(同7.8%増)となりました。平版インキは増加傾向にあり、この10年で販売数量が50.8%伸びました。新聞インキも6万3028トン(前年比5.9%増)と、近年、新聞広告を中心にカラー化が増えていることから増加傾向にあります。
CTPの普及もあり、白黒写真フィルム(印刷・業務用)の販売量は、8681.4万m
2(前年比7.6%減)となっています。
2007年4月号より
2007/05/22 00:00:00