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出版物はどのくらい発行されているのでしょうか?

印刷界OUTLOOK2007(11)

2007年4月1日 印刷界OUTLOOK2007 一覧

●書籍・雑誌で年間約34億5423万冊

2006年の書籍・雑誌の販売額は書籍が前年を上回ったものの雑誌が大きく減少したこともあり、2年連続の減少となりました。
全国出版協会・出版科学研究所の「出版月報」2007年1月号によると、2006年の書籍の推定販売部数は、前年比2.1%増の7億5519万冊、推定販売額は9326億円で同1.4%増となり、部数・金額とも2年ぶりに増加しました。増加の大きな要因としては『ハリー・ポッター』の新作が出たほかに、ケータイ小説や教養新書、児童書、文庫本などが好調だったことがあるようです。
一方、雑誌の推定販売部数は26億9904万冊で、前年比で6.1%減と過去最大の減少となりました。
月刊誌は前年比5.2%減の17億9535万冊、週刊誌は同7.8%減の9億369万冊となりました。過去2年落ち込み幅が小さかった月刊誌も、大きく落ち込みました。雑誌全体の販売金額は前年比4.4%減の1兆2200億円で、その内訳は月刊誌が同3.9%減の9523億円で、週刊誌は同6.5%減の2677億円です。書籍と雑誌の合計では、前年比2.0%減の2兆1525億円となりました。

書籍・雑誌の推定販売部数

●止まらない雑誌の不振

書籍の需要は、雑誌の不振が止まらない中でこのところ安定しています。特に近年のメディアミックスの作品が売れる傾向にあり、2006年もいくつかのベストセラーが生まれました。雑誌販売部数は11年連続で減少しており、付録も増加傾向にありますが、一時的な効果しかないようです。内容的にも斬新な企画が少なく、フリーペーパーの普及、インターネットや携帯電話などの他メディアと競合が厳しくなっており、需要の落ち込みに影響を与えているようです。このほかには、コンテンツ配信ビジネスとしての電子本(eBook)の動向なども注目されます。特に携帯電話向けの市場はコミックスを中心に伸びています。
2006年の書籍の新刊点数は、7万7722点と前年比1.6%増と7年連続の増加です。雑誌の創・復刊点数は前年より40点減少して161点、休・廃刊は前年より27点増加して167点となりました。月刊誌の平均価格は540円、週刊誌301円と、それぞれ前年より0.7%、1.7%高くなっています。近年、特に増ページや付録などにより、雑誌は値上がり傾向にあります。

2007年4月号より

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2007/05/30 00:00:00


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