1年間の広告費はどれくらいでしょうか?
印刷界OUTLOOK2007(12)
●3年連続で増加、インターネットが雑誌に迫る
電通の「2006年(平成18年)日本の広告費」によると、2006年の日本の総広告費は、前年より0.6%増の5兆9954億円となり、3年連続で増加しましたが、伸び率は前年より低下しています。
電通ではその要因として、日本の景気回復基調とトリノオリンピック、ワールドカップ、ナンバーポータビリティ制導入による携帯電話の広告が活発化したことを挙げています。しかし、マスコミ4媒体の広告費合計は2年連続で前年より減少し、3兆5778億円となりました。内訳はテレビが1.2%減の2兆161億円とほぼ横ばいのほかは、新聞は3.8%減で9986億円、雑誌は1.5%減の3887億円、ラジオが1.9%減の1744億円となりました。2年続いて4媒体すべてが減少しています。
雑誌広告では、女性誌、ミセス誌、育児誌などが増加し、番組・都市型情報誌、一般週刊誌が前年に引き続き減少しています。
●SP広告は3年連続で増加
DMや折り込み、POPなどのSP(販売促進)広告費は2兆2億円で、前年より0.9%増となり、2兆円台になりました。内訳は、DMが前年比1.4%増の3495億円と2年連続で増加したほか、折り込みは同0.2%増の4809億円、交通が3.0%増の2505億円、POPが同3.5%増の1845億円、展示・映像他が1.9%減の3456億円になりました。
このほかでは屋外が同3.5%増の2738億円、電話帳が3.2%減の1154億円となりました。DMについては郵送料ベースのため、宅配業者などによるメール便などの利用を考慮すると、もう少し市場規模が大きくなるかもしれません。
衛星メディア関連広告費(衛星放送、CATV、文字放送など)は前年比11.7%増の544億円と、去年に引き続いて2桁の伸びになっています。
インターネット広告費は3630億円(うちモバイル広告費は390億円、検索連動広告費930億円)で前年比29.3%増と大きく増加し、ラジオの2倍以上に成長、雑誌に匹敵する規模に成長しています。インターネット広告は広告主にとってかなり一般的な広告手段として定着したようです。
広告主の業種別広告費(マスコミ4媒体のみ)では、21業種中「エネルギー・素材・機械」「ファッション・アクセサリー」「案内・その他」など8業種で増加しました。
2007年4月号より
2007/06/03 00:00:00