各地のIT企業や印刷会社が地域密着型で街の情報を集め、「○○経済新聞」を名乗ってネットで発信する試みが全国に拡大しています。2000年に創刊された「シブヤ経済新聞」から広がった「みんなの経済新聞ネットワーク」は、従来のマスメディアと、ブログなどに代表されるパーソナルメディアの中間的な存在という意味で「ミドルメディア」と称され、各地で注目が集まっています。
「天神経済新聞」(2005年8月創刊)は、このネットワークのひとつで、デジタルコンテンツの制作・プロデュースを手がける九州インターメディア研究所が運営しています。繁華街の動きをきめ細かに伝えるスタイルが支持を集め、今や福岡・天神エリアの商業地に関する貴重な情報源として、地元メディアや官公庁からも一目置かれる存在となりました。地元ケーブルテレビ局への情報提供など、収益の芽も育ってきており、今後も中長期的な視点でメディアとしての価値を高めることを目指しています。
今回は同社の石井盛孝代表に、自らメディアを立ち上げた理由や、メディア運営のメリット、留意点などについてうかがい、メディアビジネスのプロデューサーの役割や、ミドルメディアの今後の可能性について考察します。
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