DTP関連資格には何がありますか?
印刷界OUTLOOK2007(14)
●DTPエキスパート試験累計合格者1万6079人に
DTP関連にはいくつかの資格制度があります。1994年にスタートした日本印刷技術協会が主催するDTPエキスパート認証試験制度は、1期から26期までに延べ3万8500人以上が受験して、累計で1万6079人の合格者が出ており、印刷関連業界では広く認知されるようになりました。この試験の目的は、激しく変化する情報技術環境の中で、印刷メディアを時代に合わせて革新していく知識を有する人材の育成にあります。また、DTP化で印刷業界以外の人が印刷物制作に関わるようになり、より良い印刷物を制作するための知識の習得も求められています。第26期の業種別受験者数は、印刷・製版・出力センターが67.8%と第13期試験以来連続でトップを占めています。これは、「DTPエキスパートのカリキュラム」を社内の教育制度に位置付ける企業が増えているためと思われます。
その他のDTP関連の資格としては、厚生労働省の技能検定制度の製版の職種中で行われるDTP技能検定や、ワークスコーポレーションのDTP検定などがあります。
●難関を経てクロスメディアエキスパート誕生
2006年から日本印刷技術協会では、デジタルメディアの制作ディレクターを想定したクロスメディアエキスパート認証試験を新たにスタートしました。情報資源を紙、DVD、インターネット、モバイルなど多様なメディア(クロスメディア)へ効率的かつ効果的に展開することができるディレクターやプロデューサーを認証する制度です。
この試験はメディア概論、経営概論、IT概論など6つの分野から出題され、学科試験と論述試験があります。学科試験は、専門用語の理解、近年の統計資料を基にしたメディア動向などを問うものです。論述試験は、課題・資料に基づき、印刷会社の立場から顧客の抱える問題分析や改善点をまとめ、提案書を提出するものです。第2期試験の受験者数は115名、合格者は23名で合格率は20%でした。業種別受験者割合を見ると、「印刷」部門が最も多い65.2%、次いで「デザイン・Webデザイン・制作」部門13.0%となっています。印刷会社やWeb制作会社だけでなく、情報処理、教育関係など受験者の業種も広がりつつあります。
2007年4月号より
2007/06/10 00:00:00