デジタルワークフローにおける品質管理と事故防止(研究会速報)
三浦印刷株式会社 生産コントロールセンター プリプレス部 DTP課 森澤 威 氏
現在でも印刷会社には、印刷用原稿として適さないミスや不具合のあるデータが日々入稿されてくる。これらのデータが、工場の現場に流れると生産がストップするだけではなく、段取りやスケジュールまで変更せざるを得なくなり、大きなロスになってしまう。
これらを防ぐため、入稿ルームと呼ばれるセクションを設け、クライアントから受け取るデータをチェックして、後戻りしないワークフローを構築している。
品質管理体制のワークフローは以下のとおりである。
1.入稿ルーム
入稿したデータや指定紙を事前にチェックする部門であり、ここでのチェックが完了した入稿物が製造現場に流れる。
入稿仕様書と照合しながらデータチェックを行ない、データチェックの診断結果をデータチェック票に記入する。データチェックの段階で実画像がない、ハードコピーとデータが一致しないなどの大きな問題はレッドカード扱いになり、営業にフィードバックされる。営業はクライアントに確認して問題点を解決してから、再び入稿し直すことになる。
営業や進行担当者の判断で現場対応できる問題点はイエローカード扱いになり、対応法を明記して現場に入れる。
2.DTP課(作業前)
入稿仕様書、データチェック票で内容を把握して、オペレーションで作業すべき内容を把握するためにデータチェックをする。
3.DTP課(作業後)
オペレータが自分で作業した内容が出力で問題がないか、出力前に
事前にチェックする目的でデータチェックをする。
4.検査
室
文字校正作業者と検版作業者の専門人員で責了案件に対応する。先方の責了紙(指定紙と責了作業したプルーフ、インクジェット紙、ポジフィルムなどの照合作業をする。
5.CTP室
画面確認用TIFF、対向面付けPDF(インクジェット紙)、刷版面付、CTP版をチェックする。
6. 校正、印刷
刷り出し時にチェックをする。
2007/06/20 00:00:00