「印刷新世紀宣言」とは、2002年にJAGATが公表した提言である。産業としての印刷の行く末を考えると、印刷を教科書的な定義ではなく、将来も持続発展が可能なものに再定義をしなおさなければならない。
将来に向けて何も手を打たないと事業が縮小に向かうことは明白である。20世紀の環境はもう戻ってこない。そのために新世紀にふさわしいビジョンを作らなくてはならない。20世紀の印刷と21世紀の印刷では、何が一緒で何が違うのだろうか?
1.紙媒体の高度充足の先に、インターネットへと相転移してさらに進む領域がある
2.得意先のビジネスのパフォーマンスの向上を手がける
3.プリンタの応用でビジネス化が可能になり始めている
JAGATでは以上のような事柄を整理して、今後印刷業界側から切り開いて、価値を産むことが出来るものは、「クロスメディア」と、「eビジネス」と、「デジタルプリンティング」に集約できると考えた。この3本の柱と「印刷文化の継承」という従来の柱の4本で構成されるものだと宣言した。
そして「印刷新世紀宣言」で提言した流れは、より現実的になっている。
印刷会社という基盤の上で、「クロスメディア」「eビジネス」「デジタルプリンティング」を獲得し、そこにサービス、マーケティング、フルフィルメントをベースにしたビジネスモデルを形成していくことこそが、「再構築」でなく、印刷文化を継承的に向上進化させる「脱構築」に結実するのではないか。
マクロトレンドはITインフラの世界的なレベルで生活の中へ定着しており、クロスメディアが進行することは揺るぎない事実である。一方、紙がなくなる日は来ないであろう。しかしその選択のされ方、選択をする顧客の行動は激変している。10年後を考えると業界の周辺は「溶けはじめ」、他の産業と融合しているだろう。その時その産業の「核」になる、社会に必要とされる産業をめざして歩を進めていきたい。
これらの流れの中で、JAGATは人材、組織、人事戦略に基づいた教育のモデル作り、技術進化やイノベーションと顧客の変化に対応したクロスメディアビジネスのモデル作りをプラン・ドゥ・チェックを通して実現したい、と考えている。
関連情報:
「JAGATナビゲーションツアー2007」
「印刷新世紀宣言(全文)」
「JAGAT大会2007」
(2007年8月)
2007/08/17 00:00:00