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各地の声(2007年6月)

原材料価格の上昇を経営努力で吸収しながらも、負担しきれない分をどのように転嫁していくか。価格競争力と価格転嫁力の二つを同時に求められる難しい局面を迎えている。




茨城:商業、出版、事務
用紙料金の値上げがほぼ確実になりました。印刷料金の下落傾向−勝手に身内の競争激化から起こしている現象−に歯止めがかからない状況の中では、収益性をますます悪くする可能性が大。節度ある業界秩序づくりに、1人でも多くの人が関心を持たなければ、沈没もありうるでしょう。

東京:商業
特にオフ輪印刷の価格低下が大きいように思います。用紙の値上げも待ったなしになってきました。効率化を目指してはいますが、いつどこで減収分を穴埋めするか。色々な判断が必要な時機です。

東京:出版
仕事量は相変わらず薄く、外注費を抑えるために内製化に邁進しています。CTP化に遅れていた出版社が、ようやく重い腰を上げ始めたのはいいのですが、それはコストダウンのため。一方的に価格表を突き付けられて、抵抗できず…。FMスクリーンなどの高精細印刷を武器に、トップからボトムまで、全員で新規開拓を実施中。出版社も、総合出版社は、ベストセラーを出している会社は元気が良いが、他は押しなべて元気がない。いまさらながら、雑誌は低調。新書、書籍はまぁまぁ。ある特定の分野に強い、また力を入れている出版社は元気が良く、受注も好調です。これは、どこの業界にも言えることなのでしょう。

千葉:商業
平成19年上期は好調に推移しました。7月からの下期は例年のことながら、正念場になります。ベクトルを合わせて危機感を持って臨みます。スローガンはGO!GO!

岐阜県:パッケージ
9月のIGASに向けて、当社の現況を正確に理解し、課題、問題点、将来の展望などを今からまとめておこうと考えています。

京都:総合
5月、6月は非常に低調でした。

大阪:パッケージ
企業の合併、統廃合の特需で好調ですが、一段落後の需要傾向、特にエコブームによるパッケージの少量化、省エネ化が気になります。また、夏以降の資材の値上げが経営を圧迫しそうです。

和歌山:商業、事務
現在、全国的に見て中規模業者が低迷から脱し切れていないと思います。大規模から頭を抑えつけられ、小規模から突き上げられ、迷走の最中です。官公需はますます低価格競争なのですが、当局は我々の要望への対応には消極的です。

山口:商業
平成19年の4〜7月については、受注金額、受注件数、ともに約10%伸びています。今後も減少しないようにがんばるのみ。

徳島:商業、出版
製本工程に変化が現れています。従来は冊子物が多かったのですが、最近はダイレクト関連での三つ折り、観音折りなどの小ロットが増えています。変化に見合った設備投資も必要になってきました。

長崎:商業
地域経済自体にあまり元気がありません。地方では大きな柱の一つの官公需も縮小しています。やはり、何かを「削減する」と言った場合の削減対象は印刷物を指すことが多いようですね。働きやすい工場をつくり、解決産業を目指して需要をつくり、ツールとしての印刷を提供していく形に変えていきたく考えています。

沖縄:商業
観光は好調ですが、ホテル等の宿泊施設も料金は安値で大変なようです。選挙需要はありましたが、用紙値上げが大きな影響を及ぼしそうです。フリーペーパーの受注が増えてきました。目に見えて増加しているようですが、反面、売掛の回収に不安なところも増えているように見受けられます。


(「2007年6月度 印刷業毎月観測アンケート」より)

2007/10/01 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会