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印刷関連市場、資材統計から見る景況

主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2007年6月の景況報告。


市場動向

6月の書籍雑誌推定販売金額前年比は△2.3%であった。書籍は「廉価本の売れ行き好調」、雑誌は「月刊誌の落ち込み大」という傾向が継続した状況にある。2007年1月〜6月期全体では△3.3%となり前年同期の△1.8%よりも悪化している。書籍、雑誌はそれぞれ△3.9%、△2.9%であった。2006年上期における前年比と比較すると、書籍は1.7%増が△3.9%、雑誌は△4.6%が△2.9%となり、書籍のマイナス要因が大きい。昨年は、5月に販売された『ハリーポッターと謎のプリンス』による押し上げ効果があった。

6月の広告業売上前年比は△1.4%であった。4月に11ヶ月ぶりでプラス(0.1%増)になったのも束の間、5月、6月と2ヶ月連続の前年割れになった。マス4媒体のマイナス(△5.7%)が大きい。テレビが△4.0%、新聞△8.8%、雑誌△8.7%、ラジオ△7.8%といずれも大きく落ち込んでいる。6月のSP関係は、SP/PR/催事企画(△0.2%)を除いて持ち直してきている。特に、屋外広告は10.8%の大幅増であった。意外なのはインターネット広告で、3.8%増と小幅な伸びに止まった。

仕事の状況

6月の一般インキの出荷販売量前年比は△1.2%で、5月に5ヶ月ぶりに前年を上回った(1.3%増)が再び前年割れに戻ってしまった。シェア1位の平版インキが△0.4%、第2位のグラビアインキが△1.8%と不振で、これらが全体の足を引っ張った。2007年上期(1月〜6月)で見ると、平版インキは0.8%増となり、昨年同時期の前年比(0.1%増)よりは良いが、2005年までのような勢いはない。
その他では、樹脂凸版インキが0.6%増で、後は前年割れになって一般インキ全体は△1.5%。

6月の印刷・情報用紙の出荷販売量前年比は2.8%増で7ヶ月連続で前年を上回った。インキの動きと対比すると値上げとの関連が想像される。非塗工紙は△1.6%となり2ヶ月連続の前年割れ。逆に、一次低迷した微塗工紙が5月(2.0%増)、6月(6.5%増)と好調だった。塗工紙は6月も4.7%増と好調であった。2007年上期で見ると、印刷情報用紙全体は1.6%増と順調に伸びた。牽引役は塗工紙(3.3%増)で、一時とは逆に、景気のプラス面として、微塗工と軽量コートからコートへのシフトが進んだためと思われる。

(「JAGAT info 2007年10月号」より)

2007/10/22 00:00:00


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