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DTPソフトウエアのカスタマイズは、どこまで可能か

Adobe InDesignにはスクリプティングのインターフェースがあり、AppleScriptやVBScript、JavaScriptといったスクリプト言語でコントロールすることができる。
InDesignで対話式におこなえる操作のほとんどが、これらのスクリプト言語を記述することで自動化することができる。

たとえば、「あるボックスに対して画像のサイズを微調整して配置する」操作を対話式におこなうと、ファイル名を確認して、読み込み、配置、微調整など数10秒程度の時間がかかる。画像が数100〜1,000点以上ある場合には、ファイル名の入力ミスやチェックも必要で、何10時間もかかる作業となることもある。
この操作を自動化するスクリプトがあると、作業が大幅に短縮されるだけでなく、入力ミスを防止することにもなる。この場合、プラグインソフトなども不要であり、特別な費用もかからない。

InDesignの標準パッケージの中にも、多くのサンプルスクリプトが含まれており、使用することができる。
さらに、一部のパワーユーザは、スクリプティングを書きこなし、活用することでレイアウト操作やチェック作業の自動化を実現し、編集制作業務をおこなっている。
また、ネット上でサンプルスクリプトが無償で配布されている場合や、情報交換のコミュニティも少なくない。このような機会を通じて、スクリプトを利用し、習得していることも多いだろう。

しかし、スクリプト言語とは言えプログラミングの一種であり、誰でも簡単に使うことができるわけではない。また、複雑なスクリプトを記述する際には、バグが発生することもある。スクリプト開発者や個人に依存する傾向もあり、大規模なシステムには向かないという考え方もある。

PAGE2008コンファレンス D2セッション「DTPに求められる機能と効果的な利用 <DTPとスクリプト活用>」では、DTP制作、エディトリアルデザインなど利用者側、およびスクリプトの書き手の立場から、InDesignスクリプトの活用事例を紹介し、スクリプティングの功罪や課題について議論をおこなう。

(2008年1月)

2008/01/29 00:00:00


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