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世界のデジタル印刷事情:2008年2月

Drupa速報

Drupa 2008では、デジタル印刷機の出展が一つの目玉になる。
ゼロックスは、成長するデジタル印刷分野からどのように利益を得ていくかを紹介する。製品としては、連続供給方式で最速のXerox650/1300を公開する。書籍、マニュアル、トランスプロモなどのモノクロ・大量印刷向けのシステムで、8.5インチ×11インチサイズの両面を分速1308ページで印刷する。一つの特徴は、定着に熱や圧力を使わずに光を使うことによって多様な被印刷体への印刷を可能にしていることである。
コダックは、Stream Concept Press を発表する。これはフルカラーのマシンで、月間1000万ページ以上の印刷をする商業印刷業者が、インキジェットプリンターに参入するのに適するシステムであるとしている。
事務用印刷で力を持つリコーは、プロダクション・プリント・マーケットに土台を築くべく、Rico Pro C 900を出展する。大量カラー印刷に適するシステムで、1200dpi、分速90ページでの印刷能力を持つ。ハイエンド、ミドル・レンジのバリアブルカラー印刷に向けたもので、ゼロックス、キャノン、オセ、コニカミノルタのマシンに対抗する機種である。
ドミノ・プリンティング・サイエンスは、ヨーロッパで話題となった L400thermal inkjet machine とともに、Bitjet+binary  printerのバージョン4.5を発表する。ダイレクトメール等のパーソナル印刷が主たる対象である。同社は、そのKシリーズの最新機種で、180×360dpi、分速120メーターで印刷するK150も発表する。
スクリーン・メディア・テクノロジーは、Drupa 2008で新聞印刷を起源とするデジタルイメージングプレス、Truepress Jet520を紹介する。これは、マルチトーンのピエゾ・ドロップ・オンデマンドのインキジェット・プリントヘッドと水性顔料インキを使う。そのことで、一般的な紙への印刷とともに紙への印刷を可能にしている。

PODi

PODi(the Digital Prrinting Initiative)は、二回目となる「PPML interoperability Report」を出した。PPML(Personalized Print Markup Languageは、ロットの多いパーソナル化した印刷物作成のためのシステムの普及を促進するためのアプリケーションである。レポートでは、10社のプリント装置メーカー間のPODiによる相互互換性テストの結果を紹介している。

その他の動き

Sharp Document Solution Company of Americaは、モノクロ印刷の大量印刷市場向けに3機種を発表する。MX-M859,MX-M950, MX-M1100で、印刷速度は分速85パージから110ページで印刷する。装置は操作ができるように大型のカラーLCDディスプレイを使っている。

IBMは、InfoPrint 5000を公表した。これは、ハイスピードのデジタル・カラーインキジェットプレスで分速209.9フィート、あるいはレターサイズのフルカラー印刷を2面つけで分速916枚で行なう。

オセは、コニカミノルタと富士ゼロックスとの間で新たな販売に関する契約を行なった。このことによって、各社は合同のR&Dチームを作り、中型、小型のプロダクションプレスに関する技術開発を行なうとともに、各社の分野を相互に補完したプロダクトミックスによって最適な製品ミックスを実現する。

富士フイルム、アドビシステム、H&HColor Labは、ゼロックスと共同でMyShot08を開催する。これは、デジタル印刷で、大学生によるパーソナル・デジタル印刷作品のコンテストであり、パーソナル写真集、グリーティングカード、そしてカレンダーといった3分野のデジタル印刷作品を範囲としている。

(グラフィック・コミュニケーション・ワールド:2008年1月21日、2月4 日、19日月号)

2008/02/29 00:00:00


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