2007年の出版物販売額は3.1％減の2兆853億円と辛うじて2兆円台を維持した。内訳は書籍が3.2％減、雑誌が3.1％減であったという（出版科学研究所調べ）。この数年来、書籍はプラスマイナス前後を繰り返して減少傾向は目先の底を打った状況だが、雑誌の減少はとうとう10年連続である。

　最近は誰もが知るような国民的雑誌の休廃刊や名門出版社の倒産も相次いだ。書籍は下げ止まって需要も安定してきたが、雑誌の落ち込みは底が見えてこない。販売部数が読みやすく広告収入を得やすい特質で出版経営を支えてきた雑誌の不振が業界全体を揺るがしている。

　このような出版物の販売不振、メディア多様化の影響を受けて出版業界も変わり始めた。具体的な変化にはケータイ小説とライトノベルの隆盛、デジタル雑誌化の動き、版権の海外販売、オンライン書店との協業、コミックレンタルや古書併売への取り組みなど様々あるが、トピックや変化を押さえておくことは出版社のニーズを把握することでもあり、将来を見通すために極めて有用である。

　本セミナーではマスコミ界の専門紙として定評の高い文化通信社の星野氏から、出版市場のトレンド、出版業界のトピックや変化、業界各社の動向などについて、取材を通じて得た知見を基に出版市場の最新動向について解説をいただき、印刷市場に大きな影響を及ぼす出版市場の現状と将来を考察する。

●14:00-16:00　出版市場の最新動向

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